日本旅館協会、オンライン決済ペイパルと連携 訪日外国人客に対応
日本旅館協会(2775軒、東京都千代田区、針谷了会長)と、オンライン決済サービス大手のペイパル(シンガポール)はこのほど、同協会会議室で会見し、会員旅館へのペイパルサービス導入に共同で取り組んでいくと発表した。
外国人の宿泊予約が増えるなか、会員旅館がペイパルを自社ウェブサイトに貼りつけることで、オンラインで事前決済が可能になり、ノーショーや直前キャンセルの際には、旅館ホテルのキャンセルポリシーに即したキャンセル料を収受できる。
すでに直売予約システムのFASTBOOKINGや予約プロプラスには対応済みで、7月中にはOPTIMA、予約番など複数の予約システムでも利用できるようになる。電話予約についても、事前決済請求書を予約相手にメールで送ることができる。
ペイパルはビザ、マスター、JCBや銀聯など、各国の主要なクレジットカードに対応した国際的なオンライン決済サービス。欧米を中心に知名度が高く、1億8千万人が継続してサービスを利用し、年間の決済総額は30兆円を超える。スマホなどモバイル端末からの決済利用も多い。
利用者は住所、氏名などのプロフィールや、決済に利用するクレジットカード番号を登録したペイパルアカウントを持つことで、オンラインで買い物や予約をするときに、ペイパルアカウントとパスワードを入力するだけで利用できる。
旅館ホテルにとっては利用者のクレジットカード番号を所有する必要がないなど、個人情報に対する高度なセキュリティシステムを独自に構築する必要がない。
また、ペイパルでは日本の観光や旅館の情報を利用者に配信するなど、集客プロモーションでも協力していく。
現在、ペイパルを導入している同協会会員旅館ホテルは数社にとどまっているが、同協会では初年度300施設への普及を目指すことにしている。