注目集める迎賓館一般公開 日旅協関東と東京都ホ旅組合が見学会
日本旅館協会関東支部連合会と東京都ホテル旅館生活衛生同業組合はこのほど、今年4月から通年の一般公開が始まった迎賓館赤坂離宮(港区元赤坂)の見学会を開いた。迎賓館を管理する宮内庁は、東京に観光で訪れる日本人や外国人旅行者への周知にも力を入れており、旅館ホテルの情報発信力に期待する。45人が参加した。
一般公開の対象は前庭、本館と主庭、和風別館の3つの施設。一行は受付の置かれた西口から、まずは前庭へ。JRや営団地下鉄四谷駅から徒歩5分ほどの迎賓館。これまでは閉ざされていた正門越しに眺めただけの前庭に進む。迎賓館見学は初めてという参加者がほとんどで、すでに前庭でも興奮気味だ。
各自スリッパを用意することが伝わっておらず、施設の係員が用意してくれた、ビニールのカバーを靴に被せてから本館内へ。「施設には手を触れないように」と拡声器での案内に付いて、会議や条約・協定の調印式、晩餐会など用途ごとに異なる広間を見て回ると、参加者からは歓声が上がり、溜め息が漏れていた。
迎賓館は、1909年に東宮御所として建設された日本で唯一のネオ・バロック様式の西洋風宮殿建築。1974年に迎賓館として改修されて以降は、世界各国の国王、大統領、首相や国賓が、歓迎行事やレセプション、晩餐会のために訪れた。79、86、93年には東京サミットの会場としても使用されている。2009年には本館、正門、主庭噴水池が国宝に指定された。
本館を出て主庭噴水池の横を過ぎ、和風庭園に変わっていく道を歩き和風別館へ。賓客を和食と、日本舞踊など伝統芸能でもてなす47畳敷きの主和室、茶室などを見学した。賓客を迎える施設としての、西洋建築と日本建築との違いに関心が寄せられていた。
一般公開は10―17時。前庭は事前申し込み不要で入場は自由。本館と主庭は事前申し込みと当日先着順の受け付けで、参観料は大人1千円、中高生500円。和風別館は事前申し込みのガイドツアー形式で料金は大人1500円、中高生700円。
すでに9月13日までの本館および主庭と和風別館の受け付けは終了。7月28日10時から9月22―27日分、8月4日10時から9月29日―10月4日分の見学を受け付ける。主に水曜日が休館で、詳しい公開日についてはホームページで案内している。初年度、年間300日程度の公開を予定している。