民泊の脅威と闘う決意を 全旅連青年部、全国大会で行動呼びかけ
全旅連青年部(全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部、桑田雅之部長=長野県菅平高原・菅平高原温泉ホテル)は10月13日、群馬県前橋市のグリーンドーム前橋で全国大会を開いた。全国大会は青年部長任期である1期2年の集大成として2年ごとに開催しているもので、今回が23回目。全国から約800人が参加した。
2年間の青年部事業の総括や成果の発表、各地の青年部活動に対する表彰、次期青年部長の紹介と、通常、お祭り色の強い全国大会だが、今年は直面する課題としての民泊問題への対応の確認に力点が置かれた。
桑田青年部長はあいさつで「民泊の脅威をしっかり認識してほしい。目の前の脅威と闘う決意を」と訴えた。
歴代の青年部長を代表して福田朋英・10代青年部長は「24年前、この場所で全国大会を行い、畳1500畳を敷き、青年部員1877人と大懇親会を開いた」と懐かしみながら、民泊問題も念頭に「青年部での体験が、その後の地域での活動につながると信じています。青年部には、いい意味での勇み足に期待しています」と激励した。
民泊の現状については桑田青年部長と、西村総一郎・次期青年部長(兵庫県城崎温泉・西村屋)の両氏が、これまでの民泊問題の議論や、民泊についての閣議決定の中身、来年の通常国会で民泊新法が成立する見込みにあることなどの経過を紹介。
桑田青年部長は「賃貸業界が猛烈な政治活動で閣議決定の180日営業制限を覆そうとしています。そんな状況にありながら、新法を審議する国会議員の先生からは、民泊について、地元から旅館ホテルの声が上がってこないと指摘されています。各県の理事長と一緒に地元の国会議員に会い、業界の意思を伝えてほしい」。
西村次期青年部長も「民泊は都市だけの問題ではありません。全国には180万戸の空き家があり、これらがすべて民泊の供給源になる可能性があります。今、行動しないと手遅れになります。新法に営業日数180日以内の明記と各地域での条例による運用の2点を、首長や議員に陳情してほしい」と、それぞれ行動を求めた。