ベトナム人雇用本格化 日旅協本部北原会長、入管法改正を関西で詳述
日本旅館協会関西支部連合会(片岡哲司連合会長=双葉荘)の第3回常任理事・理事会が1月28日に大阪市北区のホテルグランヴィア大阪で開かれ、同協会本部の北原茂樹会長が出入国管理法(入管法)改正について説明。同法対象の14業種に宿泊業が入ったことを報告し、ベトナムからの雇用が本格化することを伝えた。
入管法は昨年11月に改正され、外国人雇用につながる海外からの人材確保も可能になった。宿泊業は3パターンある在留資格のうち、生活に支障のない会話ができ、一定の知識や技能を持つ「特定技能1号」の資格があることが条件で、在留期限は5年間となっている。
改正法では、従来できなかった洗い場や清掃業務も一定の基準を満たせば可能になった。北原会長は「特定技能の業務に従事するなかで、接客やフロント実務の一部に洗い場と清掃を含んでもいいことになった。『洗い場や清掃だけ』に限った業務には従事させることはできない」と話し、改正入管法の正しい理解を求めた。
過去の技能実習制度で宿泊業が「残業手当の不払いなど、労働契約の不履行」で、他の業種から批判を受けたことがあり「今回は決してそのようなことがないようにしてほしい」と要請した。
また北原会長は「すでに宿泊4団体がそれぞれ1千万円ずつ出し合って一般社団法人試験センターを立ち上げ、5年間で2万2千人のベトナム人を雇用できるよう、4月から国内6カ所で試験を行うことが決まっている」と述べ「2月中に具体的な求人票のフォーマットを作成し、求人希望のシートを郵送するので、人手が不足している施設は書き込んで返信してほしい」とした。
このあと開かれた常任理事・理事会では総務企画委員会、IT戦略委員会、労務委員会、観光立国委員会、青年グループが事業報告を行った。
総務企画委員会は大学や専門学校での「旅館の魅力を発信する活動」について説明。今年度も関西地区の商業高校、大学へ出向いて旅館の魅力をアピールする事業を進める。
IT戦略委員会は、ITセミナーや旅館業の生産性向上実践的研究会を年3回開いたことを報告。労務委員会はベトナム側で就労者を送り出す機関のJELLYFISHと勉強会を開催し、観光立国委員会は2月にベトナムでキャラバンを行うことを伝えた。青年グループは2回の研究会を山代温泉と白浜温泉の宿で行った。
その後、東洋文化研究者のアレックス・カーさんを招いて講演会を開催。カーさんは「美しき日本を求めて」を演題に話し、全国でどのように自然破壊が行われているのか実態を語った。
さらに新年互礼会も開かれ、国土交通省近畿運輸局の八木一夫局長、日本政策金融公庫大阪支店の白木義一支店長が出席した。
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