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日本の旅文化を創る会が19年度総会(2) 講演・2019年の観光動向とは

19/04/04

総会後は講演会を開き、JTB総合研究所の藤田佳弘・コンサルティング第二部長が2019年の観光動向について話した。

訪日客の旅行スタイルの変化

日本滞在中に役立った旅行情報源にスマートフォンをあげた人が、12年の23・5%から17年は69・9%へと大幅に増えている。

訪日リピーターの数も12年の528万人から、17年は1761万人へと約3・3倍に増えている。

消費増税の影響

14年4月の8%への消費増税では、2カ月後から旅行業界に影響が出始め、冬期まで前年割れが続いたものの、年間の影響は軽微だった。今回の10%への増税は10月から。2カ月後の12月は、年末年始のカレンダーの並びがよく、影響は少ないと見ている。増税前に夏休みがあり、旅行の駆け込み需要もありそう。

デジタル社会における旅行の変化

18−29歳の男女は商品やサービスなど購入したものをSNSの自分のページで発信する割合が高いが、クチコミサイトや企業への投稿はそれほど多くない。

企業からユーザーへの一方通行の発信から、ユーザーが発信する商品やサービスについての体験を企業が追求し、ユーザーが商品のブランド価値の向上に関わるようになっている。

海外旅行は、ボリュームゾーンの団塊の世代はそろそろ卒業し、けん引役は20代の男女に交代しつつある。出国率は60代と70代以上で、男性で10ポイント、女性で7ポイント程度下がっている。

ミレニアル世代への対応

一般的に2000年の千年紀(ミレニアル)を挟んだ80年代半ばから、90年代に生まれた世代で、人口減少社会の日本では人口の20%程度で目立たないが、世界では人口の50%を占めている。この世代の世界的な特徴として(1)リベラルで自由な発想を持つ(2)保有することに執着がなく、シェアリングエコノミーに抵抗がない(3)社会貢献意識が高い。グローバルの視点を持ちながらローカルを尊重する(4)世代として高い情報発信力がある−ことなどがあげられる。

国内旅行はOTAを利用し、初めての海外旅行は旅行会社の店舗を利用する傾向がある。上の世代以上に旅行パックを購入するが、フリープランが主で、会社名やツアーブランド名で旅行商品を購入するといったロイヤリティは低い。

比較サイトで価格が安いものを検討するなか、どのように質を伝えるかや、企業が顧客の側からどのように接点を持ってもらえるかが課題となっている。

(前の記事)日本の旅文化を創る会が19年度総会(1) 独自性の高い宿泊プラン開発

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