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日本初、常設の「城泊」が2020年夏オープン/長崎・平戸城

19/07/19

長崎県平戸市の平戸城に2020年夏、日本初の常設の「城泊(キャッスルステイ)」施設がオープンする。平⼾市(⿊⽥成彦市長)の平⼾城懐柔櫓(かいじゅうやぐら)宿泊施設化改修・運営事業において事業者が決まったもので、改修などを行うとともに一帯を観光地化。欧⽶中⼼の富裕者層をメーンターゲットに据える。

事業は、百戦錬磨グループ(上⼭康博社長)、アトリエ・天⼯⼈(てくと、⼭下保博社長)、⽇本航空(⾚坂祐⼆社長)の3社による「平⼾城『城泊』JV」が進める。平戸市の事業者公募で、城泊JVが優先交渉権者に選定され、7月11日に平戸市と基本協定書を締結した。全体プロデュースおよび施設運営は百戦錬磨グループが担い、施設の設計・監理は天⼯⼈、プロモーションと送客はJALが担当する。

平戸城

欧米の富裕層をターゲットに「城泊」ができるようになる平戸城

⻑崎県最北端に位置する平⼾市は、⽇本最古の南蛮貿易の拠点となった城下町。平戸城は⽇本100名城にも選定されている。市では、平⼾城の⼤規模改修に合わせ、海に⾯した絶好のロケーションである懐柔櫓の宿泊施設化を決めた。これは、17年に平⼾市が百戦錬磨と共同で「平⼾城キャッスルステイ無料宿泊イベント」を実施し、国内外の約7500組の応募があり、その後にも欧⽶圏の観光集客に寄与したことが城泊常設の着想のもとになった。

城泊施設に改修する懐柔櫓は、鉄筋コンクリート2階建てで延べ床面積は126.84平方メートル。奄美群島で伝統的な建築と⽂化をテーマに宿泊施設の設計・運営を多数⼿掛けている天⼯⼈が、欧米の富裕層のニーズを満たす「格調⾼い施設設計・内装デザイン」を施すという。

加えて、集客から運営まで体験型宿泊のパイオニアである百戦錬磨の企画をベースに、JALの持つ路線ネットワークやプロモーションチャネルなどによって、事業シナジーを最⼤限発揮し、海外に向けた「城泊」ブランドの構築を図るとしている。

また、平戸市が保有する世界⽂化遺産「潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産など観光資源を活⽤した体感型観光を推進し、平⼾市および⻑崎県、九州全域も含めた交流⼈⼝の拡⼤を⽬指す。

城泊は、ヨーロッパなどでは貴族の城を宿泊施設として利活用しているケースが多い。富裕層が貸し切って滞在観光をすることも珍しくない。百戦錬磨グループの上山社長はかねてから、日本の城を宿泊施設として再興、地方活性化の起爆剤になることを構想していた。

なお、20年の開業に先駆けて、百戦錬磨が運営するユニークステイの予約サイト「STAYJAPAN」では、城泊の魅⼒を発信する「城泊アンバサダー」を国内外より募集。登録した人の中から抽選で5組に開業前の無料宿泊イベントに招待する。応募専⽤サイトからhttp://mag.stayjapan.com/ja/lp/ambassador/

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