台風被害の上田電鉄が別所温泉-下之郷で折り返し運転開始
長野県上田市の別所温泉旅館組合は、台風19号により避難所に避難している上田市民を対象に、14日からお風呂を無料開放している。
別所温泉旅館組合、避難市民に温泉を無料開放
利用できるのは上松や、中松屋、緑屋、花屋、つるや、玉屋旅館、南條旅館、七草の湯、かわせみの宿、かしわや本店の10軒。期間は14-16日の3日間で時間は主に16-20時。
旅館組合はウェブサイトで、「別所温泉の旅館として、日頃ご愛好いただき、助けていただいている上田市民の皆様になんとか協力や支援ができないかを考えた」とし、利用を呼び掛けている。
別所温泉では、旅館ホテルを含む建物等に被害はなく、観光名所の北向観音、国宝の安楽寺八角三重塔、国重文の常楽寺多宝塔などにも被災していない。
千曲川橋梁の一部崩落で代替バス運行と折り返し運転を開始
ただ、千曲川の増水で上田駅-別所温泉駅を結ぶ上田電鉄の千曲川橋梁の一部が崩落し、全線区間での復旧にメドは立たない状況だ。

被害を受けた千曲川橋梁(上田電鉄ウェブサイトから)
そのため別所温泉旅館組合では上田市や上田電鉄に働きかけ、14日から上田-別所温泉間に臨時バスの運行が始まっている。臨時のバスは1日2往復で上田駅発が14時と16時、別所温泉発が9時と11時。所要時間は30分ほど。
また、上田電鉄は15日から途中駅の下之郷-別所温泉間の電車の折り返し運転と、上田駅-下之郷に代替バスの運行を始めた。いずれも1時間に1本程度運行する。
別所温泉は秋の特産、マツタケプランが終盤戦
別所温泉の旅館「上松や」では、14日は市民2人の入浴利用があった。
小林直幸支配人は、「3連休の週末は予約で満館でしたが、台風で半分くらいキャンセルになりました。今後の宿泊予定のお客様からの問い合わせには、道路状況に問題がないことなどを説明していますが、風評被害が心配です」と話していた。

北向観音から温泉街方向を望む
首都圏からのアクセスで一部区間が不通となっている上信越道や中央道の復旧に加え、北陸新幹線開業以降、北陸エリアからの宿泊客も増えていたといい、北陸新幹線の全線復旧も気になるところだ。
別所温泉は信州の鎌倉とも称され、真田幸村ゆかりの温泉としても知られる。秋の特産品はマツタケで、マツタケ料理を宿泊プランに加える旅館が多い。旅館により異なるが10月末までマツタケ料理を提供する旅館もある。
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