コロナ:山形県で旅館組合単位の一斉休業増える
コロナウイルスの感染拡大を防止しようと、山形県で地域の旅館組合単位で休業を決める動きが広がっている。
政府が4月7日に緊急事態宣言を発令して以降、全国的に宿泊客のさらなる減少や予約キャンセルが増えたことで、当面の休業を決めた旅館ホテルが増えている。ただ、旅館組合単位での一斉休業は珍しい。
銀山温泉、かみのやま温泉、湯野浜温泉などで5月6日まで
山形県尾花沢市の銀山温泉組合(13軒)は4月10日、翌11日から、緊急事態宣言の対象期間である5月6日までの営業自粛を決めた。山形県では4月10日時点で、コロナウイルス感染者が32人確認されていた。
銀山温泉組合は、ウェブサイトに木戸裕組合長のコメントを掲載している。
「お客様の命と健康を守ることを第一として、私共から休止の判断を下す事が、お互いに幸せであるとの結論に至りました。私共銀山温泉は、山間の小さな温泉地です。家族経営が多く、幼児から高齢者まで温泉街の中に住み、旅館や商店を営んでおります。お客様の健康はもとより、住んでいる私たちの健康をも守ることが、これからも銀山温泉を続けて行ける事になるものと考えております。少しでもお客様に来ていただきたい気持ちが今も強くありますが、私共銀山温泉では、この難関を無事、乗り越えてみせます」
上山市のかみのやま温泉旅館組合(19軒)は、感染拡大防止を目的に4月14日から5月6日までの一斉休業に入った。上山市では14日までに5人のコロナウイルス感染者が確認され、そのうちの1人が旅館従業員だった。
鶴岡市の湯野浜温泉、あつみ温泉、湯田川温泉、由良温泉4つの旅館組合(計46軒)は、感染拡大の防止に配慮し、4月15日から一斉に営業を自粛している。期間は5月6日まで。
地域の感染防止や住民の心配への配慮も
山形県旅館ホテル生活衛生同業組合の佐藤信幸理事長(かみのやま温泉・日本の宿古窯)によると、県内に26の旅館組合があり、これまでに11の組合が営業自粛を決めているという。
組合単位の一斉休業について佐藤理事長は、「山形県には、まだ感染者のクラスターを追うことができ、県外からの感染が広がらなければ感染拡大を防げるという考えがあります。かみのやま温泉もそうですが、地域住民のそうした心配に配慮し、地域の安心安全を最優先に考えた結果として、組合単位の休業という決断になりました」と話している。
政府は4月16日に緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大した。旅館組合単位で一斉休業する動きが、山形県外にも広がる可能性がある。
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