コロナ:鶴岡市 宿泊業支援で固定資産税の半額相当額を給付
山形県鶴岡市は5月1日、市議会臨時会を開き、コロナウイルス感染症に係る追加経済対策を承認、宿泊事業者に対し固定資産税額の2分の1相当額を緊急支援金として支給することを決めた。宿泊業の事業継承を支援する。
そのほか追加対策では、国の特別定額支給金の先行給付やプレミアム付き飲食券発行、事業者に対する市独自の金融支援の拡充策や店舗賃料支援などを行う。
宿泊事業者に支給するのは、宿泊施設に係る2020年度の固定資産税額(宿泊業の用に供する該当建築物に係る土地・建物分)の2分の1相当額。市では支給の対象を市内175の旅館ホテルと想定する。予算は1億2千万円。
5月15日から申請を受け付け、5月下旬から支給を開始する。申請申し込みは6月30日まで。
鶴岡市では固定資産税額を基準として支援について、「宿泊施設の規模にあった支援ができることから、固定資産税を物差しとしました」と説明する。
一方、2020年度の固定資産税納付の減免などの措置は行わない。鶴岡市では5月、7月、12月、2月が納期。宿泊施設は売上が激減するなか、最初の納期を5月末に迎えるが、緊急支援金を5月、7月の2回分の納付にあてることが可能になる。
山形県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長で、鶴岡市のあつみ温泉で萬国屋を経営する佐藤信幸さんは、「旅館の経費で大きいのは人件費と、食材など仕入れにかかる費用、それから固定資産税です。うちでは年間約3700万円を納付しています。休業で売上がないなか、納期を前に困っている事業者がほとんどだと思います。緊急対策を立案するなか、固定資産税に目を配っていただいたことに感謝しています」と話す。
一方、国は4月30日に成立させた2019年度補正予算に係る税制上の措置として、売上が減少した中小企業について、2021年度の固定資産税の減免を決めている。
具体的には2020年2-10月の任意の3カ月の売上が前年同期で30%以上減少した場合は2分の1に軽減、50%以上減少した場合は全額を免除するというもの。
ただ、佐藤さんは、「減免はありがたいですが、現場から見れば、来年では遅すぎます。それまでに全国の多くの旅館ホテルが立ち行かなくなっているかもしれません」と指摘する。
佐藤さんは、いくつかの市町村が雇用調整助成金の助成率を独自に上乗せし、当初の10分の9から10分の10に引き上げた動きを、県が採用し、最終的に国の施策につながった例をあげながら、「固定資産税についても、諦めずに地方から声を上げ続けることが大事だと思います」と訴えている。
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