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「海の京都」感じる拠点施設 フェアフィールド・バイ・マリオット・京都宮津に宿泊/京都

20/12/30

「フェアフィールド・バイ・マリオット・京都宮津」(宮津市字浜町)が12月15日に開業した。10月8日に開業したフェアフィールド・バイ・マリオット・京都京丹波に続き、京都府内では2軒目。府内では来春、道の駅お茶の京都 南山城が開業する予定。

フェアフィールド・バイ・マリオットは、世界各国で1千軒以上ホテルを運営しているマリオットグループの創業者、マリオット夫妻が休暇を過ごした「フェアフィールド農場」を起源としたホテル・ブランド。日本国内では、積水ハウスとともに各地の道の駅を拠点に地域観光スポットの再活性化を図る「トリップベース」プロジェクトとしてホテルを展開、今年10月以降に順次、栃木県や岐阜県、三重県に8軒開業している。

京都府宮津市に開業したホテルは、道の駅・海の京都宮津に隣接した5階建て、客室は全93室。宮津湾を一望でき、海風が心地よく吹き抜ける絶好のロケーションだ。道の駅には観光案内所、地元農産物や地酒などを販売する「宮津まごころ市」、「おさかなキッチンみやづ」があり旬の食材を提供する飲食が楽しめる。スーパーのさとう宮津店(ミップル)も隣接するたいへん便利な立地で、歴史とロマンを感じる市街地散策など、市内観光の観光拠点としての機能がそろう。

筆者は12月17日に早速宿泊した。利用した517号室からは阿蘇海や成相山が一望でき、ちょうど降雪と重なり冬景色が楽しめた。フェアフィールドに宿泊するのは、10月の京都京丹波に続き2軒目で、部屋のレイアウトやベッド、家具調度品がほぼ同じだからか、京都宮津に初めて泊まっても意外にリラックスできた。

フェアフィールド・バイ・マリオット・京都宮津

客室からの眺め。阿蘇海や成相山の雪景色を一望

フェアフィールド・バイ・マリオット・京都宮津

客室に落ち着きを感じる

1階のラウンジやテラスにワインや地酒を持ち込み地域の食材を味わったり、ワーケーションも可能だ。周辺にある居酒屋で地酒を楽しむも良し。全室シャワーのみなので近隣の日帰り温泉や周辺の旅館で温泉と食事を楽しんだり。自由に楽しみたい。そして、このホテルを拠点に舞鶴や伊根、丹後半島まで足を延ばそう。

フェアフィールド・バイ・マリオット・京都宮津

1階ではワーケーションができるスペースも

同ホテル支配人の藤谷明彦氏は「マリオット日本地区会員は300万人いるので、まずは会員を中心にこの地域に来てほしい」と語る。京都市出身、海外でのホテル勤務が10年と長く、予定していたベトナム赴任がコロナ禍で出来ず宮津に来たそうだ。この機会に大いにこの地域を楽しみ、ぜひ今後発信して欲しい。

このプロジェクトのかなめとなる道の駅海の京都宮津を今年8月から運営するのが、ハマカゼプロジェクト株式会社の坂本亮社長。彼とは、京都丹後鉄道時代、丹後酒蔵ツーリズム委員会で「丹後天酒まつり」プロジェクト以来の付き合いだが、新たに道の駅駅長を公募したそうで、宿泊客のニーズをくみ取り、観光案内所を起点として滞在プログラムを提供できるようこれからを期待したい。

また、イーバイク(電動スポーツ自転車)によるガイドツアーやレンタル事業を扱う合同会社海の京都e−bikesの増田和樹代表は「日本、世界のマリオット会員やゲストに、欧米ではポピュラーなイーバイクに乗って伊根や天橋立だけでなく、海の京都エリアを走ってもらい、丹後の人々とつなぐ懸け橋になりたい」と熱く語っていた。

藤谷支配人、坂本社長、増田代表と地域の盛り上げを担う人がそろい、大手ホテルチェーンによる道の駅を活用した新たなプロジェクトがいよいよ始動した。宿泊する側はホテルや旅館、民宿、ゲストハウスや一棟貸しに加えて、フェアフィールドという選択肢が増えることになる。新しい風が地方に吹くかどうかは、ホテルだけではなく、地域や人々がどんなメニューを宿泊客に提供できるかによるだろう。

もちろん、筆者は南山城村に来春オープンするホテルにも泊まるつもりだ。顧客情報やノウハウを共有化するその進化ぶりを楽しみたい。

(観光交流コーディネーター 釼菱英明)

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