四万温泉・柏屋旅館 コロナ禍に立つ、3月15日にリニューアルオープン
群馬県四万(しま)温泉の柏屋旅館は1月5日から休館し館内のリニューアル工事を進めている。オープンは3月15日の予定で、ウェブサイトでは設備や備品の搬出、解体工事、給排水配管や電気配線の敷設、設備の搬入といった、普段はあまり見る機会がないリニューアルの様子を画像で紹介している。
コロナ禍でのリニューアルについて柏屋旅館の柏原益夫社長に聞いた。
-リニューアルの動機や目的はなんですか。
2019年の終わり頃に、2021年にはリニューアルをしようと考えていました。施設は前回のまとまった投資から15年ほど経っていて、老朽化が目立っていました。設備としては食事処をつくることが今回のリニューアルの大きな目的です。15部屋という小規模な旅館で、これまでは夕朝食とも部屋食でやってきました。15年前にはお部屋でゆっくりと食事をしたいというニーズありましたが、最近は部屋に食事のにおいが残ることや、スタッフにあまり出入りしてほしくないといった声も多くなっています。建物は2階建てでエレベーターがなくスタッフが客室まで食事を運ぶのも大変でした。それで客室を1つ減らして食事処をつくろうと。
客室は9タイプ14室にリニューアルされる。
露天風呂付き客室 花の間 1部屋
露天風呂付き客室 亀の間 1部屋
足湯テラス付き和室10帖 光の間 1部屋
デッキテラス付き和のツイン 3部屋
デッキテラス付き和室8帖(2階) 3部屋
和のツイン 2部屋
デッキテラス付き和室8帖(1階)1部屋
2階のシングルルーム 1部屋
デッキテラス付きシングル(1階) 1部屋
-宿泊料金はどうなりますか。
柏屋旅館はこれまで同様に普段使いのカジュアルで良質な旅館でありたいと思っています。今の総宿泊消費の22000円から25000円に、宿泊単価を3000円上げるのが目標です。
-コロナでも計画通りに工事に入ったんですね。
実際には計画はだいぶ縮小しました。旅館の近くに土地を購入していたので、高級業態の宿泊施設を建築することや、四万温泉でやっている「柏屋カフェ」が好調で、2号店を出すことも考えていました。将来に向かって安定した経営を図るために、これらの投資を2021年にするつもりでいました。コロナで旅館のリニューアルだけに計画を縮小しました。
-コロナ禍で金融機関の対応はいかがでしたか。
総額で約1億円程度の投資ですが、金融機関はすごく前向きに応援してくれました。コロナ禍でほかに投資案件がないことも理由かも知れません。
-コロナで設備を変更した点はありますか。
オープンな食事処を考えていましたが、間仕切りを置くなど半個室形式に変更しました。ソフトの面ではチェックイン・アウトの際に対面する時間をできるだけ短くしたいと考えています。例えば予め住所の分かっているお客様は宿帳に署名だけいただくとか、チェックアウトの精算にかかる時間を短縮するとかです。
-2020年の四万温泉や旅館の入込はどのような状況でしたか。
4月の緊急事態宣言から5月中旬までは休館しました。今期は珍しく新卒の新入社員が4人いたんですが、入社後すぐに休館という状況でした。その後、群馬県では県民割り宿泊プランが始まり、多くの県民で四万温泉も賑わいました。そして7月にGo Toトラベルが始まり12月までは例年並みのお客様がありました。Go Toトラベルが停止になり2回目の緊急事態宣言が行われてからは人が来なくなりました。柏屋カフェは年中無休で営業していたのを平日の2日を休日にしたり営業時間を短縮しています。近所の宿泊施設も平日や土日も含めて休館しているところもあります。
-今後の見通しについてはどう見ていますか。
人が動くことで成り立つ商売にとって、緊急事態宣言と感染者増が繰り返されることを恐れています。この1年は正念場の1年だと思っています。でも2年後、3年後には旅行需要は戻ってくるでしょう。それまで、なんとか持ちこたえる。東日本大震災も経験しましたし、最近は10年に1回は苦難がやってきています。それでも宿泊業は持続性のある商売だと思っています。
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