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宿泊料金アップに言及 日本旅館協会関西支部連合会が総会、中小旅行会社向け新システムも紹介

23/06/14

一般社団法人日本旅館協会関西支部連合会(岡本厚会長=不死王閣)は5月30日、大阪市港区のアートホテル大阪ベイタワーで2023年度通常総会を開いた。

岡本会長は「全国旅行支援で宿泊客が増えた施設も多いと思いますが、水道光熱費をはじめ物価の上昇や人手不足で客室のフル稼働ができない厳しい状況下が続いています」と現状を報告。支部連合会で行ったオーストラリアへの海外研修についても触れ「パースではラーメン3千円、煙草1箱5千円と物価の高さに驚きました。この物価からすると日本の宿泊料金は安く設定しすぎ。欧米系の宿泊予約サイトの料金は上げて、利益を確保すべきです」と訴えた。

次いで本部の大西雅之会長は冒頭「この3年間、血のにじむような努力で今日を迎えられた皆さんに感謝申しあげたい」と述べ、コロナ禍で疲弊した旅館業界が活性化するために、社員の待遇の改善や経営の近代化などの必要性を訴えた。また、関西支部連合会がLINEを使って本部からの情報を末端会員まで伝えていることに関して「重要な情報をタイムリーに伝えている血の通った組織」と評価した。

日本旅館協会関西支部連合会

物価上昇と人手不足が旅館経営の課題になっている
と話す岡本会長

今年度の事業について総務企画委員会は旅館の魅力を発信し雇用につなげることや金融問題の集約および関係機関への陳情案の作成、業界諸問題の調査研究・セミナー等を開催することとした。

IT・キャッシュレス・生産性向上委員会はネット予約倍増セミナーの継続やIOT、ICTを利用した生産性向上事例の研究・紹介、キャッシュレスにかかる機器の研究や情報収集を行う。

観光立国委員会は海外有力市場での商談会の実施やインバウンド市場の開発と外国人観光客へのおもてなしの研究などを行う。

労務委員会は労務問題・国内外の雇用についての調査や労務全般に関する事業を実施する。

青年グループはWith・Afterコロナを生き抜く適応戦略の研究やデータを活かした経営の研究、生産性向上によって収益性を向上する研究、離職率低下・従業員定着化の研究などに取り組む。

総会後、本部のEC戦略デジタル化推進委員会の西村総一郎委員長が「新グループ・団体予約システムGroup Booking」、労務委員会の山口敦史委員長が「特定技能人材の活用について」を説明した。

西村委員長は「新システムは宿泊施設が設定したグループ・団体向けプランを中小旅行会社に販売してもらうもので、オンライン在庫を利用し料金や手数料率は変動設定が可能になります。参加旅館を増やし軌道に乗せたい。参加をお待ちしています」と呼びかけた。

山口委員長は特定技能外国人の雇用について「7月にインドから複数の送り出し機関を招いて宿泊事業者対象のセミナーを開催予定です。現地の送り出し機関とマッチングすることで、インド人の受入が可能になります」と参加を促した。

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