犬同伴限定の送迎バスが発車、inumo芝公園と東京駅間など
犬と一緒の宿泊に特化したホテル「inumo芝公園」と東京駅、羽田空港間に7月1日、日本初の犬同伴限定の無料送迎バス「わんわんトラベルバス」が運行を開始した。大型犬を飼い始め日頃から移動や宿泊の不自由さに直面している記者が、6月30日に行われた試乗会に参加した。
コロナ禍でペットを飼い始めた人は多い。日本ペットフード協会が2022年に発表した犬の新規飼育頭数は前年比42万6000頭増加と過去10年で最多となったそうだが、まさに私もその1人。
夫と二人気ままに暮らしていたが、犬を飼い始めたことで生活は一変。外食は犬と同伴が原則となり、馴染みだったすし屋や蕎麦屋に行けなくなった。その代わり散歩の途中にワンコオッケーの飲食店を開拓、立ち寄るお店はがらりと変わった。
犬の名はテナー。ラブラドールレトリーバーで体重は28キロある。飲食店やホテルで「ワンコOK」と書いてあっても、小型中型犬のみということも多く、都心で大型犬を飼う難しさも感じていた。
特に移動はほぼ自家用車に限られ、お酒を飲む事が大好きな我々夫婦には最大の障壁で、友人夫婦がフレンチブルドッグをバッグに入れてタクシーに乗るのを見て、常々羨ましいと思っていた。
日本初の愛犬専用バス「わんわんトラベルバス」は、貸切バス事業B・I・G(東京都葛飾区)の萩原正規社長が、コロナ禍での外出自粛で本業に打撃を受け、打開策として直接利用者とつながる事業への転換を考えた際、自らも犬を飼っていたことから愛犬連れ旅行者を応援するバス事業の開始を決断した。
犬同伴用にバスには様々な工夫が
バスの改良では、①座席足元スペースを125センチと通常のバスの2倍の広さにし、大型犬が同乗できたり犬用のバギーを置ける様にした②座席と通路を仕切れるロールスクリーンを設置し、個室化の実現③通路を挟んだ左右の座席の配置をずらすことで、犬同士が目を合わせにくくし喧嘩を防ぐ設計にした④バスの床は犬が滑りにくい素材にし、シートは防水、防臭、抗菌仕様にした-など、実用新案を取得している車内は、徹底的に犬目線で考えられている。
試乗会ではモデル犬が居心地よさそうにしていた。
住友不動産ヴィラフォンテーヌが2022年2月に開業したinumo芝公園は、コロナ禍で近場旅行を楽しむマイクロツーリズム需要で、関東圏在住の愛犬家からはペットフレンドリーなホテルとして支持を得ていた。
最近はアフターコロナで、愛犬と一緒に旅行に出かけたいというニーズも多く、特に地方から東京へ旅行に来る愛犬家向けに、東京駅や羽田空港とホテルを結ぶ交通手段を提供する今回の事業には大きな期待を寄せているそうだ。
バスは今年12月25日まで、木-月曜日に運行する。利用は無料でinumo芝公園の宿泊客、または登録無料のクラブヴィラフォンテーヌの会員で、犬連れの人が利用可能。利用には事前予約が必要になる。
私も早速アプリから会員登録した。今度テナーと一緒に乗ってみるつもりだ。
(肥塚由紀子)
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