和歌山県温泉協会が24年度総会 温泉文化のユネスコ文化遺産登録へ協力、総会後2500筆の署名
和歌山県温泉協会は10月9日、有田市の有田川温泉・鮎茶屋ホテルサンシャイン本館で2024年度総会を開いた。いずれの議案も原案通り承認・可決されたほか、温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録に向けて署名活動などを積極的に行っていくことも確認した。
総会でははじめに、堀順一郎副会長(那智勝浦町長)が「新型コロナ感染拡大で、4年間総会を開くことができず書面決議のみの総会でした。本日、皆さんと顔を合わせての総会は5年ぶりになります」とあいさつを述べた。
今年度事業は、温泉利用促進事業として例年通り温泉スタプラリーを実施することを決めた。2023年12月から24年2月まで実施したスタンプラリーで実施したアンケート結果も報告され、利用施設1位がかなや明恵峡温泉、2位が滝原温泉ほたるの湯、3位が天然紀州黒潮温泉だった。参加者の年代では60代が38%と最も多く、次いで50代の24%、40代15%と中高齢者の利用が目立った。参加者の74%が和歌山県民だった。
また全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)が事務局を務める温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録に向けた署名運動に協力した同温泉協会に対し、和歌山県旅館ホテル生活衛生協同組合の利光伸彦理事長が謝辞を述べた。「協会の皆様には1568筆という多くの署名を集めていただいて感謝申しあげます。皆様からの署名は先日熊野本宮温泉郷で開いた第4回わかやま12湯サミット会場で全旅連の井上会長に手渡しました。署名活動はまだ終わったわけではありませんので、引き続きよろしくお願いします」と話し、署名活動の協力を求めた。これを受けて同温泉協会ではさらに署名運動を続け、総会後に別途2700筆の署名を集めた。
さらに、第43回温泉関係功労者表彰(環境大臣表彰)を受章した有田川(鮎茶屋)会長の花田優さんを紹介。和歌山県で表彰されるのは2014年の第33回以来となった花田さんは、有田地域の市町と温泉施設で構成する有田川温泉協会で設立当初から会長を務めてきた。温泉の保護や適性利用普及啓発、温泉地の活性化に向けた活動が評価された。花田さんは「多くの人に支えられて今日があります。感謝申しあげます」と謝辞を述べ、温泉がユネスコの無形文化遺産登録に向け、署名運動が行われていることに敬意を表した。
総会後に行われた講演会では、トラベルニュース社まちづくり観光研究所の奥坊一広所長が「『温泉文化』ユネスコ無形文化遺産登録で私たちが考えないといけないこと―登録への取り組みは和歌山県にとってはチャンス! 温泉の魅力を国内外に情報発信!」を演題に話した。
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