復興へ全力、今夏全館で営業再開 熊本県・人吉温泉女将会「さくら会」
熊本県の人吉温泉女将会「さくら会」の女将ら5人が来社。2020年7月の豪雨災害で、さくら会メンバーの旅館ホテルは壊滅的な被害を受けたものの、女将らは自施設の復旧作業はもちろん、地域の観光業を守るために活動、以来「人吉は頑張っています」とアピールを続けている。
さくら会ではこれまで、オリジナル焼酎「ひとよし女将桜」を地元酒造会社と商品化し、焼酎を購入することで人吉球磨の観光を支援するクラウドファンディング(CF)を実施。目標金額を達成し、その中から支援金を得て復興に充てるなどの活動をしてきた。
この日は、被災時に女将自らが撮影した写真や被災状況をまとめた冊子「人吉温泉女将の会さくら会復興記念写真集」を元に、これまでの災害復興に「頑張ってきた」経緯を説明。いまだ営業を再開できていない宿はあるものの22年夏過ぎには全旅館がリニューアルオープンする予定だ。その時には「関西からの送客に期待しています」と、5人は声をそろえた。
さくら会の有村政代会長(清流山水花あゆの里)は、関西とのつながりの深さを強調した。「女将にとって着物は仕事着です。その着物を豪雨ですべて失ったのですが、災害直後に大阪で料亭を営まれている女将さんから『ぜひ使ってください』と着物と帯が送られてきました。みんなで感激しながら着物と帯を選び合いました」。
また、制作した冊子については「被災からしばらくは自分の施設の復旧作業に追われ、さくら会として会員の被災状況を細かく取りまとめることはできませんでした。写真集を作ることで、それぞれが持ち寄った写真を見て、改めてお互いの被害の大きさを実感したところです」「この写真集によって水害の経験を形に残すとともに、被災を乗り越え奮闘するさくら会や、人吉球磨のことをより多くの方に知っていただければと思っています。私たちを応援してくださった皆さまにお礼としてお届けし、感謝の気持ちをお伝えしたいですね」と有村会長。
災害前から人吉温泉は関西の旅行会社からの送客が多かった。関西からのアクセスについては「九州新幹線で新八代駅までお越しいただき、新八代駅で宮崎行きの高速バス『高速B&Sみやざき』に乗り換えます。バスは人吉インターに停車します。新大阪からですと人吉インターまで4時間半。お勧めのルートです」と紹介した。
さくら会は人吉市の温泉旅館の女将で1994年(平成6年)に結成。温泉旅館のPRや人吉球磨全体の観光を盛り上げる活動を行ってきた。現在の会員数は女将11人、若女将4人の15人。今回訪れた女将は有村会長のほか、田口妙子さん(旅館吉野)、富田峰子さん(鍋屋本館)、村田優子さん(ホテルサン人吉)、松田淳子さん(町家旅館一富士)の5人。
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