米原の山城跡で「有無」から新しさを 滋賀県米原市・ゲストハウス「うむ」
滋賀県米原市の上平寺(じょうへいじ)で昨年8月から一棟貸し1日1組限定のゲストハウス「うむ」の経営を始めた川村千恵さんと、夫でグリーンホテルYes近江八幡の社長を務める川村博さんがこのほど、トラベルニュース社大阪本社を訪れ、「うむ」をオープンさせた上平寺の魅力をアピールした。
上平寺は、室町時代から戦国時代にかけて北近江を支配した京極氏ゆかりの地。京極高清が普請した上平寺城があったことから地名になり、京極氏が政務を行ったとされる館跡や庭園があったとされる。
「由緒ある土地柄に合った古民家が空家になっていることを知り、なんとか手に入れたいと思ったんです。当初は家族で住めばいいと思っていたのですが、地域のために文化発信できる拠点にしたいという思いが強くなって、ゲストハウスとして活用することを決断しました」と千恵さん。
「うむ」は2階建て。1階には和室やリビング、キッチンなどがあり、浴室の浴槽は信楽焼の陶器製。2階はツインベッドを置いた和洋室。宿泊料金は2人3万3千円から。1階だけが使える日帰り利用もできる。
屋号は仏教用語の「有無」から取った。今見えている、実在しているの「有」、過ぎ去った歴史、亡くなった人、今は見ることができなくなったことを示す「無」を合わせた。「上平寺には語り継いでいきたい『有無』がたくさんありますし、新しい何かを『生む』ことができればと思って」。
浅井長政の居城だった小谷城跡のガイドを10年務め、戦国時代の山城や石垣に魅せられた千恵さん。オープンから1年を迎え、近隣府県からのスキー、スノボを楽しむ家族連れやバーベキュー目当ての若者が主流で「本来期待していた歴史好きの方々にお泊まりいただけるよう、さらに山城や歴史、武将に関する情報を発信していきたい」と張り切っている。
博さんは「採算分岐点を考えて頑張ってね」とエールを送っていた。
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