西九州新幹線開業2年目は広域観光図る 佐賀県嬉野市
佐賀県嬉野市の村上大祐市長、観光戦略統括監の近藤光則さん、観光商工課の小野原博さんと織田理さんがこのほど、トラベルニュース社大阪本社を訪れ、昨年9月23日に「嬉野温泉駅」が開業した西九州新幹線がまもなく1周年を迎えることから、嬉野市の持つポテンシャルを改めてアピールした。
嬉野市では新幹線開業1周年を記念して、市内宿泊者を対象に1人最大3万円のキャッシュバックキャンペーンを9月から始めたが、販売開始からわずか1時間で完売する人気だった。「X(旧ツイッター)でトレンドワードになるなど、たいへんな話題を集め想定以上だったのですが…」と村上市長。新幹線の開業効果から持続的な観光振興を模索する。
村上市長は、高速鉄道の利点を最大化するためには周辺地域との連携、資源の組み合わせが欠かせないとする。「インバウンドの交通手段は新幹線です。格安の訪日ツアーをひきずるのではなく、高級感を前面に地域資源を打ち出したい」とし、有田焼や古伊万里などの伝統文化を周辺市町と連携して打ち出す構想を持つ。
まちでは、8月の全国茶品評会で特産の「うれしの茶」が4冠を達成。将棋の藤井聡太さんが王位戦の第4局を市内で戦い、対局時にうれしの茶と市内の菓子を食べて全国から注目を集めた。
「日本遺産のシュガーロードなども生かしたい。嬉野を拠点に広域観光を実現したいですね」と村上市長。その端緒として10月上旬に、西九州新幹線・嬉野温泉駅からの2次交通整備の一環で、最新の技術を用いた自動運転車両の実証実験を行う。嬉野温泉駅と嬉野温泉バスセンター間の往復約4キロの公道を自動運転の車が走る。村上市長は「鉄道で来られるまちをアピールできれば」とも。
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