遷宮機に観光アピール(1) 島根県「日本の甦りの時」
三重県伊勢市の伊勢神宮と島根県出雲市の出雲大社が2013年に遷宮を迎える。伊勢神宮は20年に一度、出雲大社は60年に一度という神事。全国から多数の参拝者が見込まれ、両県ではこの機に県内観光のアピールも強化している。
島根県はこのほど、大阪市港区のホテル大阪ベイタワーで観光情報説明会「しまね・旅の縁(えにし)」を開いた。旅行会社やマスコミら約200人に出雲大社の遷宮などについて紹介した。
溝口善兵衛知事はあいさつで、出雲大社周辺で7月21日―11月11日まで開催中の神話博しまねの集客状況について話した。「期間中40万人の来場を予想していましたがすでに50万人です。最終的には60数万人に達すると予想しています」とし、古い文化に関心を持つ若者の増加などが後押ししたと分析した。
次いで、出雲市の万九千社の錦田剛志宮司が講演し、出雲大社と伊勢神宮のいわれを解説した。「国譲りの時に大国主大神は、この世に起こることの盟主を天照大神に譲られました。以来、大国主大神は幽事(かくれたること)、目に見えないことを司るトップになられました。だから神在月で神々が出雲にお集まりになるのです」「出雲大社、伊勢神宮ともに遷座を繰り返します。これは、円環の時間軸で動いていることで、永遠を求めたのです」「きっと来年は日本に新しい息吹が吹きます。日本の甦りの時です」。
錦田宮司によると、1953年の出雲大社遷宮時は15万人が参詣したという。この時も来年と同様に2社の遷宮が重なっており「経済成長につながりました」。
すでに大部分の修繕を終えた出雲大社本殿は、真新しい64万枚の檜皮(ひわだ)が敷き詰められ、ちゃん塗りと呼ばれる塗装が施された姿を目にすることができる。5月10日の遷座祭は一般参拝はできないが、来年は様々な奉祝行事が予定されている。
→遷宮機に観光アピール(2) 三重県・来春から大型観光CPに続く