東南アジアへの関心高く JNTOが個別相談会(1) 高まるインバウンド熱
日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)は9月4日に東京・お台場で、9月6日に兵庫県神戸市でインバウンド誘致に関する個別相談会を開いた。JNTO海外事務所長らの現場の声を聞こうと、両会場には多くの観光関係者が詰めかけた。
"現場の声"に注目
JNTOでは国内地域の観光資源の海外展開・プロモーション支援を強化しており、今回の相談会もその一環。年2回東京で開いており、3年前から関西でも始めた。JNTOの賛助団体・会員が対象でインバウンドに関心の高い自治体や旅館ホテル、旅行会社、交通機関など観光業界全体から参加者が集まった。
昨今のインバウンド市場の急激な回復、進展で注目度は例年にも増して高かったよう。相談会は市場ごとにブースを設け個別に応じるスタイルで、海外事務所長や市場担当者が直接コンサルティングを行うということもあり、「予約段階からすぐに座席が埋まる状況。特に東南アジアの相談枠は受付開始後2―3分で満席になりました。反響のすごさに驚きました」(JNTO事業連携推進部の土井千裕さん)というほどだった。
関西地区はアジアの主要訪日国が相談対象で、会場のオリエンタルホテル神戸には25団体50人が参加。個別相談はJNTOからの情報提供と受入側から要望も伝えられる双方向のもので、海外事務所の活動にも役立てられている。会場では熱心に相談する参加者の姿が見られ、真剣な姿勢がうかがえた。
JNTOによると、東京会場もあわせて多い質問は、市場のニーズやツアーのトレンドといった動向についてだが、訪日客が少ない地域が他の自治体の成功事例を聞いたりと多様。ある海外事務所長も「こちらも勉強になる」と話していたという。関西会場でも旅館関係者が成長著しいタイ市場の次に備え、ベトナムやフィリピンについて質問していた。
関西会場でJNTOバンコク事務所の伊東和宏所長と天野泉次長にタイ市場について聞いた。
―実際の感触は。
「好調さの実感は数字に表れている通り。お客としてのタイの評判もマナーがいいと評価されているようです」
「7月のビザ免除も大きいです。事前にタイ航空がキャンペーンを展開していたので国民の95%が認知しているというデータも。先進国では初めてであり、好意的に受け入れられています」
―市場の成長は。
「円安などもあり確かに加速していますが、実はずっと右肩上がりでした。一過性のものではないので成長は続くはず」
―参入時の注意点は。
「成長してきたのは信頼関係も大きいです。 にわか訪日ツアーをしだしたところも出てきました。当然ですが参入時はしっかりと体制を整えることが重要です」
→東南アジアへの関心高く JNTOが個別相談会(2) 1千万人へ全力に続く
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