観光の価値向上と持続可能な観光産業に向けて 観光立国推進協議会(1) 能登半島復旧と新幹線、万博
観光関連産業を中心に産業横断的に100の企業・団体が加盟する観光立国推進協議会(山西健一郎委員長=日本観光振興協会会長)は1月16日、東京プリンスホテルで全体会議を開き、ポストコロナの観光業界のあり方として「観光の価値向上と持続可能な観光産業に向けて」をテーマに意見を交わした。
多くの出席者が能登半島地震と羽田空港衝突事故の犠牲者、被災者にお悔やみとお見舞いを述べた上で、観光による能登半島地震からの復興に決意を示した。全体会議は例年1月に開催され、今回が10回目。各団体から78人が出席した。
山西委員長は冒頭のあいさつで「能登半島地震からの復旧・復興に、できることから取り組みたい」とした上で、2024年の重点事項として「北陸新幹線の敦賀延伸開業と来年に迫った大阪・関西万博を盛り上げ加速させる必要があります。こうした機会を課題でもあるインバウンドの地域誘客につなげるよう民間でも取り組んでいきたい」と述べた。
また「観光産業のさらなる価値向上で魅力のある、学生に選ばれる産業にしていく必要があります。観光のプレゼンスを高めるためにも、価値向上と持続可能な観光について意見をもらいたい」と議論を促した。
来賓の髙橋一郎観光庁長官は「政府をあげて被災者支援を全力でやります。観光産業についてはコロナ禍による膨大な債務やオーバーツーリズム、インバウンドとアウトバンドのアンバランス、人手不足など諸課題あることを認識しています。生産性や収益の低さなど構造的な課題解決には、観光の魅力を高め付加価値を高めることが大事です。その上で価値に見合った対価をしっかりいただき、夢と希望ある産業に向けて業界と力あわせ取り組みます。なかでも観光地が持続可能であることが極めて大事です。観光産業の収益が地域に還元され、新しい投資につながる好循環を実現できるよう全力で支援します。観光の底力を信じています」と協働を約束した。
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