ありがとう!太閤園 ザ・クラブジャパン関西、160人が感謝伝える/大阪
“大阪の迎賓館”の役割を果たし親しまれてきた「太閤園」(大阪市都島区)が6月30日に閉館した。今年2月に太閤園を運営していた藤田観光が売却、閉鎖を発表し、多くの大阪人を嘆かせた。が、ときはコロナ禍の真っただ中。行くに行けない状況だったが、6月11日に「ありがとう!太閤園!感謝の集い」と題したイベントが行われた。人生を彩る思い出をそれぞれに持った160人が太閤園に別れを告げた。
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太閤園感謝の集いを主催したのは、今年創立19周年を迎えた社交サロン ザ・クラブジャパン関西(原田忠義会長)。実はこの会は太閤園と深い縁がある。
今から19年前、同会を創設し初代会長に就いた故・林田正光さんは晩年、おもてなしの達人と評された伝説的なホテルマンだった。そのキャリアをスタートさせたが太閤園だった。販売促進支配人や関西地区顧客部長を務め、名実ともに大阪の迎賓館にした立役者の一人でもあった。
冒頭にあいさつした原田会長は「閉館の知らせを聞きショックでした。今日の3時間が本当に最後の太閤園。一人ひとりが目のシャッター、心のシャッターで記憶に残していただきたい」と話し、盟友との思い出が詰まった太閤園への自身の思いを吐露した。
太閤園は、もともと関西の財閥を率いた藤田伝三郎男爵が明治時代に建てた屋敷や広大な庭園。和風建築として歴史的価値の高い料亭「淀川邸」などを藤田観光が引き継ぎ、1959年に太閤園として開業した。大阪随一のもてなしの場として風靡し、国内外から多くの客を迎えた。2019年のG20大阪サミットでは閣僚会合に使われたほか、結婚披露宴に至っては5万2千組も行ってきたという。
この日の参加者にも太閤園で披露宴を行ったという人が多く、中には「友だちの結婚式でスピーチも」(通天閣観光・西上雅章会長)。
本紙で「ビジネスで損をしない方法」を連載する幸南食糧の川西修会長は「数えきれないほどの人たちの出会いの場でした。出会いがあれば別れがある。別れは再会のためです」と述べ、閉館を惜しんだ。
参加者は、感染症対策が施される中、アルコールなしで最後の晩さんを楽しみ、太閤園の名物イベント「ホタル物語2021」で庭園を散策。淡い光を発し舞っているホタルの中に「林田さんがいるかもね」と話し、様々な縁を紡いできた太閤園に感謝していた。
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