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新・OATAを構築 協同組合大阪府旅行業協会の三役が語る(2)

―OATAの再構築とは、どのようなことを行うのですか。

予約センターの改善も OATA連絡協議会とも連携

藤原 OATAが持っている決済機能は素晴らしいと思っています。大手も含めて100億円以上の決済を行い、クーポンも100%保証です。しかし、これを維持するのは大変です。以前は200社を超える組合員がいて180億円超の売上があったのですが、現在は120社100億円です。経費も一般管理費などが上昇傾向にあるなか、売上と利益は下がっているのが現状です。

衣川 不良債権の発生も大きな問題です。当然キャッシュフローは落ちてきますし、財政を圧迫するばかりです。その対応策としては一般管理費、事業費を落とすしかなく、さらには家賃、人件費、予約センターの改善が必要になってきます。

予約センターは組合員サービスのためにも必要ですが、今後予約センター機能の向上・検証は、どうしてもやらなければいけない必須事項です。

―すべて自前でやらないといけないという考えがあるのでしょうか。

藤原 予約センターがある、特別補償もあります、大手旅行会社の予約端末があります、JR券も団券も発券できますし、航空会社とも取引があります。素晴らしいことだし、組合内にも外に向かっても聞こえはいい。

とはいっても、すべての組合員がそれを享受できているかといえば、必ずしもそうではありません。組合員の何人が享受できて、そのためにどれだけの費用がかかっているのか、それらを一つずつ検証していくことが我々三役の役目だと思っています。

西田 そうですね、どれだけの組合員が活用し費用がかかっているのかを知り、売上を伸ばしていくことも考えていかなければいけません。

衣川 全体のバランスを考えて、便利で儲かるシステムにしていくことが必要です。

藤原 相互扶助と精算という基本的な部分で特化するところは組合で行い、儲けの部分は別な形での組織体をつくる必要性があるかもしれません。私が理事長の間にそこまで手をつけるかどうかは別として、近い将来必ず考えなくてはいけない問題です。

西田 全旅クーポンを使う組合員が増えていますが、この全旅クーポンとの棲み分けや協力体制も重要な懸案事項のひとつです。

OATA三役

OATAの今後の方向性を
話し合った3氏

―OATA連絡協議会(OATAと協定する受入機関の組織)や旅館などの案内所については、どうお考えですか。

藤原 昔から連絡協議会の皆さまにはたいへんお世話になっています。総合案内所などの呼びかけによる加盟で、一括で入会していただいたりもし、脱帽の思いです。ところが最近では旅館券や観光券、食事券が大手の取引の部分になってきており、協議会の皆様のところでの利用が減少傾向にあるのが残念です。

それをリカバリーするにはOATA集中送客キャンペーンのようなものを行う必要があります。1千万円以上の売上になった場合、何%かの手数料をいただくというような、双方がウインウインの関係でお互いが収益を得ることを考えてもいいのかもしれません。

衣川 それを実現するには制度改革が必要です。集中送客キャンペーンをするなら、誰が担当部長で事務方は誰、というようにきちんとした制度を作らないと絵に描いた餅で終わってしまい、現場が混乱するだけです。

藤原 旅館の案内所については予約の窓口ではなく、交渉の窓口だと思っていますので、集中送客キャンペーンにしても、この時期にこういった魅力ある素材があるということをきちんと提案していただいて、商品化する必要があります。それをOATA組合員がお客様にきちんと説得して送客するといった流れができれば、お互いが安心です。案内所がからんでいれば我々もお客様に商品を勧めやすいし、旅館にもOATAが単なるクーポン精算会社だと思われずに認識を新たにしていただけます。

―最後に、それぞれOATAに感じる魅力を教えてください。

西田 3期6年、支部長をしてきましたが、横のつながりができることと、OATAクーポンの存在が魅力だと思っています。

衣川 西田さんと同じように同業者、同世代とつながりができるのは魅力ですね。クーポンを一括で精算できるので、精算処理作業が楽でいいということもあります。転換期を迎えているとはいえ、OATAは将来の可能性がある夢のある集まりだと思っています。

藤原 私自身、OATAの設立総会に父親と一緒に参加しているんです。それ以来、OATAの皆さまに育てていただき、また勉強もさせていただきました。以前は皆、同じ方向を向いて走っていたように思いますが、今は少し違うような感じがしているので、OATAも変わらなければならない時にきていることを実感しています。

何がいいのかはわかりません。しかし私が理事長を終えるときに、組合員の皆様に「ありがとう」って言っていただけるよう、頑張りたいと思います。

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