新規組合員増とOATAクーポン増売へ 協同組合大阪府旅行業協会三役で鼎談(1)
協同組合大阪府旅行業協会(OATA、徳原昌株理事長)は2017年度の総会で徳原理事長と前田栄次副理事長を再選。専務理事に清水康市さんが選出された。総会から3カ月が経ち、新しい三役にOATAの課題となっている会員増強やOATAクーポン増売などについての取り組みについて聞いた。
組織挙げて未清算事故を防止
―OATAの現状について、この2年間の感想を教えてほしい。
徳原 役員全員がまとまって事業に取り組めたことが第一。執行部として最もホッとしたのはこの1年半、未清算事故が一件もなかったことだ。皆が頑張ってくれたことを実感している。
―課題は?
徳原 一番の課題は組織の強化だ。新規入会の促進には並々ならぬ力を注いでいる。近々に1社入会することになっているので、まもなく107社になる。あと2社入会の話が出ている。
前田 総会で100社100億円の維持という話をすると、この厳しい状況下で高望みではないかと言われたが、目標がないと前へ進まない。現在その目標に向けた取り組みを行っている。
―未清算事故が1年半なかった点について、もう少し詳しく聞きたい。
徳原 以前は入会者からの発券希望額があり、それに基づいて保証人の賠償額を設定していたが、近年は保証人の収入に合わせてクーポンの限度額を厳格にしている。
前田 組織全体として未清算の事故が起きないように、つね日ごろから考えている。受入施設とも相談しながら、情報が早く入るような取り組みも行っている。
清水 クーポン事業は担保能力を考慮に入れた形でないと組織そのものの存続に関わってくる。
徳原 この5年前後で倒産した組合員の発券額を合算すると13億円が目減りしたことになる。しかも会員数が少しずつ減少している中で、前年対比で発券額97―98%をキープしてきた。新規入会の組合員は旅行業が初めての場合が多く、売上や発券額には寄与しない。既存の組合員が頑張っているから、現在のクーポン発券が維持できていることになる。
清水 組合員の減少率を考えると87%ぐらいで普通。90%を割っても当然だと思う。
徳原 組合員が減って売上が下がりクーポン発券額も減少ということではなく、倒産した組合員の発券額が億単位のところばかりで、これがクーポン発券額減少の一番の大きな要因。大型倒産がなければ100億円は十分キープできていた。
前田 現在でも億単位で事業を行っている組合員は10何社あるが、ほとんどの組合員は数千万円、数百万円のクーポンを発券しているのが実情で、大型倒産の影響は大きい。その中で現在の発券額を維持しているのは、理事長が言うように組合員が頑張っているからだと思う。
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