新規組合員増とOATAクーポン増売へ 協同組合大阪府旅行業協会三役で鼎談(3)
組合員の利益追求へ手緩めず
―株式会社全旅の全旅クーポンとOATAクーポンとの棲み分けは。
徳原 単純な比較は慎みたいが、全旅クーポン会員が2100社で約300億円の発券額からすると、100社のOATAがいかに頑張っているかということがわかっていただけると思う。
しかし全旅クーポン会員は2100という会員数なので、いくらでも伸びる余地はある。OATAは組合員が減ったら伸びないので、危機感を持って事業を行っている。
組合員にはまずOATAクーポンを第一として、OATAでカバーできないところでは全旅クーポンを使い、自社の収入が上がるように使い分けを提唱している。保険でもまずKTT(近畿・東海旅行業連合会)ありきだが、全旅保険の活用も勧めている。厳しい状況のなかで自社の利益になるものを使い分け、1円でも多くの利益を上げてほしい。OATAクーポン、全旅クーポン、KTT保険、全旅保険と選択肢は多い方がいい。選択肢が少ないのはよくない。
他府県の事業会社や協同組合と連携を図り、組合員や会員が儲かるシステムを構築することが役員の役割だと思う。
清水 メリットの追求と共存共栄が大切だ。
徳原 いい事例が滋賀。KTTの仲間だった協同組合が今年、全旅しがと合併し新会社になり、協同組合の理事がトップになった。協同組合の組合員17社が、新会社では70社と増え、OATAクーポンとKTT保険が使えるようになった。兵庫県も前向きに取り組んでおり、いずれも組合員にいかに制度を浸透させるかがカギになってくる。
前田 KTTの中で滋賀の新会社はOATAに次いで2番目の会員数になるので、KTTの取り組みが浸透すれば確実に売上は伸びる。滋賀や兵庫の事業団体にOATAクーポンを開放することで、100社100億円を目指したい。
徳原 ゼンリョ・オーサカや全旅協大阪府旅行業協会とも手を組み、研修や講習を合同でしたいと考えている。
前田 すでに数回、合同で講習などを行っているがOATAに入っていない全旅協会員からも喜んでいただいている。
徳原 こういった取り組みは中小旅行会社が生き残っていくためのものだということを理解いただきたいと思う。
―最後にOATAの魅力、この2年間の抱負を教えてほしい。
前田 端末を使って、複数の旅行会社の海外旅行や航空会社の代売ができること。保証金を考えると個人で個々に契約なんてできない。
清水 OATAの入会金だけで大手の代売ができ、ノルマがないことはとてつもなく大きい。日本旅行、JTB、近ツーのいずれの会社の商品も販売できるのだから。
昨年OATAは創立40周年を迎えた。相互扶助の精神が脈々と受け継がれてきたからだが、後進にも伝えていきたい。
徳原 厳しい環境のなか中小零細企業が頑張っている。これに応え、少しでも収益が上がるように報いたい。全員参加型の組合運営をして、組合員が儲けられるよう側面支援するのが組合だ。全力を尽くしたい。
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