共生社会の実現に向けて ケアフィット共育機構、在阪鉄道招き座談会
日本ケアフィット共育機構は9月12日、大阪市内で、在阪の鉄道会社6社の担当者を招き「共生社会の実現に向けた鉄道各社の取り組み」と題し座談会を開いた。観光のインフラでベースとなる鉄道各社の取り組みは、急増する高齢者や外出の機会が増える障がい者の受け入れのあり方を示すものになった。
座談会は、同機構の機関誌に掲載することが目的。JR西日本、近鉄、阪急、阪神、京阪、南海の担当者が参加し、それぞれのバリアフリー化の現状、サービス介助士を取得する取り組みなどについて意見を交わした。
サービス介助士については、バリアフリー新法が施行された2006年に前後して、各社とも社員に資格取得を促している。ハード整備には時間と費用がかかり一足飛びに備えることができないことも背景にある。「駅係員は全員取得し、昨年からは新入社員や乗務員も取得した。介助技術を学び、会社全体で介助が必要な人を手助けしようと本格化させている」(阪神)。「スキルだけではなくマインド。あらゆる方への接遇に役立たせている」(京阪)など、資格取得を社内のモチベーションにつなげている。
その中で「介助忘れなどヒューマンエラーは必ずある。毎日利用されるお客様には多少許してもらえるような関係性をつくる」(南海)ことや「声掛けをするのは勇気がいるが、普段から話していると普通のことになる」(JR西日本)、「改札口で待つだけではなく、自分たちで積極的に動く、気づく」(阪急)という環境づくりを進める。
その中でもポイントになるのは、各社とも共通して「共助」の必要性を説いた。「構内放送で、お客様に呼びかけている」(南海)、「お客様全員で見守る社会的認知を高めることが大事」(京阪)。
今後はインバウンド対応の強化なども必要だ。「関西空港からいろんなタイプの車イスが入ってくる。ルールを整える必要性を感じている」(JR西日本)「奈良、京都と車内で複数語が話せるコンシェルジュを配していくほか、お年寄りにも聞き取りやすい自動放送を進めていく」(近鉄)などに取り組む。「安全性とCSの向上は両輪。ハードを無駄にしないCSとは、お客様の動きを想像すること。その結果、安全性はより高まる」(阪神)。
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