トップ・トライアスリートの経験生かして 小原工さん(鳥取県・米子市観光協会)
父親と一緒に皆生温泉へ行く途中、屈強なアスリートたちが目の前を駆け抜けた。日本初のトライアスロン大会。中学2年生の夏だった。
それから28年。シドニー五輪で日本人最高位の21位など数々の実績を誇るトップ・トライアスリートとして帰郷。故郷に錦を飾るのではなく"恩返し"がしたかった。
「現役時代、皆生温泉では何度もトレーニングキャンプをしました。大山が近く自然も豊かなのでトレーニングには最高の環境でした。温泉でリフレッシュもできるし、ここでキャンプをするのは本当に楽しくて。何より、地元の人がトライアスロンに理解があったのです。僕が急速に力をつけられたのは、間違いなくこの環境のお陰です」
今年5月、野島譲常務理事に「力を貸してほしい」と請われた。ヘルスツーリズムプロデューサーとして、すでに複数のトライアスロンキャンプを誘致したほか、地元住民や観光客を対象にした健康増進プランづくりにも取り組んでいる。「旅館の皆さんと一緒に、健康になれる皆生温泉をアピールしていきたいですね」。