中央アルプス山岳ドライバー 原弘子さん(伊那バス)
南信州を代表する観光スポット「中央アルプス駒ケ岳ロープウェイ」。誰もが気軽に標高2600メートルを超える高山が体験できるが、拠点の駒ヶ根高原・菅の台バスセンターからロープウェイ乗り場・しらび平駅までは専用の路線バスでしか上がることができない。
路線バスは、中央アルプス観光バスと伊那バスが共同運行している。標高差約800メートルを約40分かけて上る急勾配とカーブが連続する狭い道は、ドライバーの腕のみせどころ。そんな難所に昨年から女性ドライバーが登場した。
伊那バスに勤務する原弘子さん。2004年に入社し事務職やガイドを経験してきた。しかし、もともとはバスドライバー志望だった。子どものころ、近所に住んでいたおじさんがバスを運転していた姿を見て以来、バスドライバーに憧れていたのだった。
07年に高速バスドライバーとして念願のデビュー。昨年からは、しらび平線の乗務も加わった。「しらび平線は他のバスと連絡を取り合い、待避所ですれ違う運行はチームワークで成り立っています。緊張する反面、達成感を得られます」。
自分のペースを保ちながら焦らない―。そんな座右の銘を掲げて年間55万人にも達する観光名所の安全を下支えする。山岳ドライバー原さんの2年目のシーズンが始まった。