大学院で探る着地型旅行の可能性 アルファトラベル社長・森野茂さん
アルファトラベル(京都市中京区)の森野茂社長がこのほど、龍谷大学大学院の政策学研究科を修了した。社業の傍ら大学院に通い、通常2年間の修士課程を1年でクリア。修士論文「京都における旅行業者の持続可能な着地型観光の可能性」を書きあげた。
多忙な毎日の中、森野さんが大学院進学を決めたのは「高校を卒業して専門学校に通ったのですが、ずっと大学で学びたい思いを持っていました。それと、特色ある旅行を取り扱うよう会社を経営してきた中で、結果的に着地型観光に取り組んでいたことも大きいと思います」。
この2つが森野さんの中で合致し昨年、龍谷大学大学院の門を叩いた。「研究室に先駆者のいない分野だったのですが、いろんな皆さんにアドバイスをもらいながら、学術的に着地型観光を探究していく面白さにはまっていきました」。
ほぼ毎日のように通い、修士課程に必要な単位を取得した。と同時に、自身が専務理事を務める京都府旅行業協同組合の組合員をはじめ京都府下の旅行会社に着地型観光への取り組み状況を調査したり、京都府北部を舞台にした着地型の募集型企画旅行を造成し催行した。
論文の中で森野さんは、着地型観光の課題は収益化と広告宣伝にあるとしている。広告宣伝については「中間組織」という概念を提唱、課題克服の光明を示した。「私たちが持続していける事業体となるためにも中小旅行業者こそ着地型観光に取り組むべき」とし、論文のさらなる実証へ着地型観光はライフワークと決意した。
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