ネパールに“投資” 宿運営と人材育成―国内旅館ホテル関係者にも推奨
今年7月4日、関西国際空港からカトマンズへの直行便が就航する。日本から、ネパールから、相互の往来が盛んになる起爆剤として注目を集めている。
そうした中、日本とネパールの交流の事業化にいち早く取り組んでいるのが橘(本社・岐阜県高山市)の松尾政彦社長。岐阜県奥飛騨温泉郷や奈良県十津川温泉など4カ所で旅館を経営し、奥飛騨地域の外国人集客に特化した各館でネパール人を雇用、その働きぶりや気質に惚れ込んだ。
「ネパールはまだまだ途上国で、自国の給与水準も低く、日本で働くことがステータスになっています。彼らのがんばりを見ていると、逆に私も何かできないだろうか。そう考えたんです」
そこで、ヒマラヤ山脈の名峰マチャプチャレ(6993メートル)を正面に望む、ネパール第二の都市ポカラでホテルを建てると同時に賃貸も始めた。建設費は日本よりはるかに安く、相応のホテルを建てることができる。「その時に、投資先としてネパールの可能性を大いに感じたのです。グローバルなサービス、おもてなしを身につけてもらい、彼らを日本で雇用することもできます。日本の旅館業で関心を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか」。
松尾社長は現地会社を設立、物件探しから設計、人材確保、通訳などまで必要な業務をトータルでコーディネートする体制を整えた。
「ネパールに投資し、ネパール人の皆さんに活躍の場を提供し、彼らに日本でも働いてもらうスキルを身につけてもらう。そんな好循環で両国の交流が深まることを期待しています」と将来を見据えている。
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