なにわ伝統野菜のパワー 難波葱の会事務局長・難波りんごさん
古くから人が住み栄えてきた上方は、人々の胃を満たすため食の大生産地でもあった。今や希少種になってしまったが、毛馬胡瓜や守口大根、天王寺蕪など上方の伝統野菜はずらりとある。
難波りんごさんは、そんななにわの伝統野菜を発掘してきた先駆者の一人。23年前、大阪市阿倍野区の郷土史を調べ天王寺蕪に出会ったのがきっかけだ。「天王寺発祥の野菜ですが、ほとんど知られていない。だけど長野県野沢温泉村に行くと皆さん、野沢菜の親ですって知っていました」。
興味を持ったりんごさんは、大阪周辺で盛んに栽培されていた伝統野菜を発掘、農家に協力を呼びかけて復活させていった。なかでも大阪の繁華街ナンバ一帯の広大な畑で栽培されていたのが「難波葱」だ。
「難波葱は葉の繊維が柔らかく、強いぬめりと香り、濃厚な甘みが特徴です。京野菜の九条ネギのルーツでもあるんです。もともとネギは大和朝廷が防疫対策として奨励していたほど、身体にいい野菜として伝統的に食べられてきました」。実際、体内でウイルスを食べるマクロファージなどを活性化させることが明らかになっている。
「今たいへんな時期ですが、難波葱のパワーを皆さんに知っていただき食べてほしいですね」
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