時代に即した組織 近兼孝休さん(日本観光旅館連盟会長)(2)
―支部組織の再編を行われますが、どのように進めていかれますか。
現在25支部あります。これを地方運輸局が所管するエリアに合わせた9支部に再編しようと考えています。03年度の理事会で方針が決められ、05年度からは支部再編支援金も交付し、すでに統合再編を行った支部もあります。とはいっても、いつまでに再編するという期限を決めていなかったので、できるだけ早い時期に実現しようと思っています。
全国9支部に再編 地域貢献、活性化を促進
―9支部になると国観連と同じ支部数になり、合併が進めやすくなるということも視野においておられますか。
合併ありきでの再編ではありません。確かに合併が考えやすくなるという一面もあるかもしれませんが、あくまでも日観連が時代に即した運営をするための支部再編です。
設立当時の気概と誇り "駅長の宿"復活目指す
―これからの取り組みを教えてください。
日観連の歴史を振り返ると49年に国鉄(日本国有鉄道)の公共企業体として発足し、国鉄も戦前の「鉄道指定旅館」を改編し「国鉄推薦旅館」にすることを決めています。50年には国鉄推薦旅館全国連盟(国旅連)の名称でスタートしました。いってみれば組織の冠に堂々と「国鉄」がついているわけですが、52年には国鉄の機構改革で支部が鉄道管理局単位になり、57年には国鉄推薦旅館制度が廃止になり、現在の社団法人日本観光旅館連盟に改組されるに至ります。
私は会員のみなさんと一緒になって、日観連設立当時の気概と誇りを持った組織に構築し直したいと思っています。設立当時は、「駅長さんお薦めの宿」としての誇りを持ち、地元との関係も今以上に深く、地域の人たちとの信頼関係も強かったのではないでしょうか。
できうるならもう一度、JRさんとの連携を深めて地域貢献、お客様に喜ばれる宿づくり、組織づくりを進めていきたいと思います。
近兼孝休(ちかかね・たかやす) 昭和13年、香川県琴平町生まれ。37年に客室10室の宿を開業後、48年に琴平グランドホテルをオープン。現在は代表取締役会長。国土交通省から観光カリスマの認定を受けている。