東北全体で「八重の桜」旅行を 菅野豊さん(福島県旅ホ組合理事長)(1)
2013年のNHK大河ドラマ「八重の桜」。主人公、新島八重のふるさと、福島県は「八重の桜」を県内周遊につなげようと観光振興を図っている。福島県旅館ホテル組合理事長の菅野豊さんに福島観光の現状と取り組みを聞いた。
大河ドラマからDCへ
―八重の桜のポスターが気に入っているそうですが。
菅野 「この時代、咲いてみようじゃないの」というキャッチコピーは、まさに今の福島にぴったりです。ドラマが福島観光を盛り上げてくれることに、すごく期待しています。八重の桜で盛り上げて、それを2015年に立候補しているデスティネーションキャンペーン(DC)につなげていこうということです。大河ドラマ、プレDC、DC、アフターDCで、福島への入り込みが震災前の水準まで戻ってくれることに期待しています。
現状は、全国からの支援ツアーや警察関係の利用でずいぶん旅館業界は助かっています。支援ツアーでは、これまで来てもらえなかった遠方からお客さまにも来ていただいています。
―県内の旅館ホテルの現状はいかがですか。
菅野 これは浜通り、中通り、会津に分けて見ていく必要があると思います。浜通りは災害復旧の工事関係者が長期滞在している状況がありますし、観光ではスパハワイアンズさんが飛びぬけていいですね。先日もうちに来たお客さんがフラダンスを手配してくれと言うんです。そのくらい福島といえばフラダンスが浸透しています。福島県観光にとってプラスだと思います。郡山でもフラダンス教室にお願いして公演してもらったりしています。津波の被災エリアでも旅館がグループでの再生に取り組み始めていたり、今は心配していない状況です。
会津方面は観光客が主体です。回復傾向ですが、年間75万人あった修学旅行のお客さまが6万人に激減しているわけですから、修旅を主体に営業しているエリアや施設は厳しい状況です。中通りも同様に観光主体です。会津と違うのは大きな都市が控えていますので地元利用に支えられています。ただ、震災で廃業した旅館も数軒ありますし、現状は全体的に震災前の8割といった状況でしょうか。
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