売るヒントは現場に 塩川耕士さん(名阪近鉄旅行社長)(2) 造成と販売の距離縮める
―具体的には。
「商品を造った者は必ずその商品の添乗に行き、お客様の声を直接聞いてくることができるような態勢づくりを進めています。下見をして商品を造るだけでなく、造った商品が実際に旅行された人にどのように感じられたかといった視点が、次の新たな商品に生かされると思っています」
お客に聞けば答えはある
「昨年8月からは、グループや団体でツアーに参加された幹事さんや申し込みされた方に旅行センターから『お帰りなさいコール』を始めました。不手際はなかったか、ツアーで何が良くて悪かったかなどをお聞きし、商品を造った者、販売する者にフィードバックして次の商品企画に役立てたいと思っています」
「旅行商品は本来、造る者と売る者が一緒でないと、そのツアーの魅力が伝わらないものだと思うんです。組織的な問題もあるのでしょうが、これまではこの両者に距離がありすぎました」
「大手旅行業者では生き残りのために分業化を進めてきたのですから、何を悠長なことを言っているのか、と思われるかもしれませんが、売るためのヒントは現場にしかありません。商品を造っていてわからないことがあれば、お客様に聞けばいいんです。必ず答えはあります」
「受入施設との関係も同じようなところがあり、協定連盟では東と西が1年交代で情報交換会を行って、新しい観光地や名物の情報を教えていただいています」
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