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世界発信のブランドに 石村隆生さん(奥箱根観光社長)

神奈川県・箱根大涌谷の奥箱根観光センターが建て替えられ、年が明けて1月2日、「大涌谷くろたまご館」と名を改めてリニューアルオープンした。大涌谷で最も広い売り場面積と土産品のアイテム数を持つ売店とレストランを有し、4月には箱根町運営の「箱根ジオミュージアム」も開業予定。くろたまご館を運営する奥箱根観光の石村隆生社長に今回のリニューアルの目的や大涌谷の魅力と今後を聞いた。

―施設の建て替えにあたって一番重視したことはなんですか。

石村 バリアフリーですね。従来の施設は3階建てでしたがエスカレーターもエレベーターもありませんでした。レストランが3階にありましたから、高齢者や身障者の方にはたいへんな不自由をかけていました。5年ほど前に社長に就任したときから、今後、高齢者や障害者の方をどのように受け入れていくかを考えてきました。それが、ちょうど箱根ロープウェイが大涌谷駅の改装を計画していましたので、いい機会だと思い神奈川県、箱根町、箱根ロープウェイ、弊社などで協議会を立ち上げ、大涌谷全体のグランドデザインのなかで新しい施設のあり方を考えていきました。

今回オープンする「大涌谷くろたまご館」は、大涌谷駅舎も含め全体的な統一感を意識した外観にしました。弊社が大涌谷で運営する他の施設についても、今後、外観のカラーを統一していこうと思っています。

奥箱根観光石村社長

石村・奥箱根観光社長

―施設は大涌谷という箱根を代表する自然環境に立地しています。

石村 企業として、低炭素社会を目指すという方向性を持っています。年間250万人から300万人が観光に訪れる大涌谷で、環境保全に向けた施設として姿勢は示そうと、今回新たに太陽光パネルも設置しました。

―大涌谷の魅力はなんでしょう。

石村 自然の恵みを実感できることじゃないでしょうか。こういう場所で私企業が商売できるありがたさとともに、社会的責任を自覚しなければいけないと私たちは思っています。環境の国際規格の認証を受けたのも、大涌谷で商売をする企業としての社会的な責任からです。この自然を観光客に還元しながら次代に伝えることが施設運営においても使命だと思っています。

―今回の建て替えで施設の名称も変えました。

石村 社員から名称を募集して決めました。数年前に上海に行ったとき、大涌谷から来ましたと自己紹介しても分からないんですが、黒たまごと言うと「行ったことがあります」と言われました。そうした体験をすると、黒たまごは大涌谷にとってとても大事なんだと実感できます。新施設のオープンにあたり、黒たまご関連のいくつかの名称については商標登録も行いました。大涌谷くろたまご館を新たな拠点に、私たちは「くろたまご=大涌谷」というブランドをしっかり打ち出していきたいと思っています。

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