全旅連青年部・西村総一郎次期部長に意気込み聞く(1)
全旅連青年部は9月に開いた臨時総会で、2017―18年度の第23代となる次期部長に西村総一郎さん(兵庫県城崎温泉・西村屋)を選任した。西村さんは今期の政策担当副部長として、桑田雅之部長とともに民泊問題への対応などに取り組んできた。次期部長としての意気込み、現在の宿泊業界を取り巻く諸課題の対応について、数回に分けてインタビューを掲載する。初回は、人手不足など労務問題について話を聞いた―。
人手不足は喫緊かつ未来への課題
―青年部長になろうと思ったきっかけを教えてください。
今期14年ぶりに出向して、最初は誰が誰かもわかりませんでした。ずっとJC(青年会議所)で活動していました。青年部に戻ってきて、民泊問題をはじめ様々な課題に直面し、これは我々の代できちんと解決、方向性を明確にし、次の世代に少しでもいい状態で引き継がなければならないと思ったことが大きいですね。
―国が観光を重視している割に業界、地域には課題が山積しています。
安倍首相がGDP500兆円を600兆円にすると言っています。今より100兆円増やすと言っているわけですが、そのうちの5%はインバウンドの需要で増やす構想です。外国人旅行者数を2千万人から倍増の4千万人にして、GDPを押し上げるというわけです。そのインパクトは、全産業を見ても宿泊業に大きな期待がされているということです。我々はもっと自信を持っていい。
ただ一方で、人口減少の影響は非常に大きい。団塊の世代がこれから80歳を超えてくると介護のお金がかかり、可処分所得はそちらへ流れていきます。消費に回らなくなります。私の地元、豊岡市の人口ビジョンで2040年の推定を見てみると、2010年と比較して65歳以下の現役世代は今の半分になります。65歳以上の人口は今と一緒です。現役世代が半分になり、65歳以上が今と変わらない。そんな世の中になると、皆がいろんなことを我慢しなければなりません。いま当たり前のことが享受できない時代になるだろうと思っています。
そのため地域は、交流人口を増やすことで定住人口の減少を補いたいと考えているわけです。そうなると、やはり観光は重要です。国はまちの集合体ですから、人口減の状態にあっては外貨を獲得することをやらなければなりません。その時に我々の足元を見た時、人手の問題があります。
→全旅連青年部・西村総一郎次期部長に意気込み聞く(2)に続く
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