会員施設のサービスを世界一に 日本旅館協会・北原会長に聞く(1) 外国人雇用で高評価を
日本旅館協会(2528軒、北原茂樹会長=京都市・旅館こうろ)は6月11日、東京・竹芝のインターコンチネンタル東京ベイで2019年度総会を開く。前年度の総会で、針谷了前会長の後を受け、就任した北原会長。組織の立て直しや、個々の会員施設が生産性向上に取り組む機運を引き継ぎながら、外国人雇用問題などに取り組んできた。任期2年の折り返しを迎えた、北原会長に聞いた。
この3年の取り組みが大事
―体調はどうですか。
北原 持病の肝臓は悪いままですが、悪化はしていないといったところです。運動は、ただ歩くのは嫌なので、月に3―4回ゴルフをしています。まあ、元気です。
―会長就任から、1年です。生産性向上の日本旅館協会というイメージがありますが、最近の大きな動きとしては、外国人の新たな在留資格が始まったことでしょうか。
北原 3年前、針谷了前会長が呼びかけで、宿泊4団体で「宿泊業外国人労働者雇用促進協議会」を立ち上げました。そこで受け入れの勉強や準備をしてきたことが、特定技能の就労先14業種に宿泊業が入ることにつながったと思います。宿泊4団体の取り組みの成果です。
ただ、新たな制度を実のあるものにしていくには、多くの課題もあります。短期間にできた制度ですから、政府もそうでしょうが、我々も走りながら考えていくことになります。協会としては、外国人技能実習の対象に宿泊産業を加えるよう要請を続けながら、新制度である特定技能1号の受け入れに取り組んでいきます。
―安く、単純労働に従事させられるということではないんですよね。
北原 報酬は日本人と同等以上というのが条件ですし、さらに就労者の生活支援、日本語習得などについて支援計画にまとめ、出入国管理庁に届け出る必要もあります。なかなか面倒な作業で、一般的には登録支援機関に代行を依頼することになりますので、代行コストも踏まえながら、雇用の計画を立てる必要があります。社会保険も必要ですし、かつてのように外国人を日本人より安く雇用できるという認識だと、難しい。
既存の技能実習制度が必ずしも送出国から評判がよくないなかで、宿泊産業が、新しい在留制度の新たな対象業種として定着できるか、この3年の取り組みが非常に大事になると気を引き締めています。宿泊業界全体で、いい評判を勝ち取らなければなりません。
日本のインバウンドの大多数をアジアが占めるなか、宿泊先に同じ国の人が働いていれば安心です。外国人の雇用は、そうしたセールスポイントにもなりますので、取り組む価値は高い。しっかりと勉強していきたいと思います。
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