今こそ安心安全を 新型コロナウイルス禍―「空間除菌」の普及へ九州観光・杉本部長に聞く
安心安全で快適なバス旅行を提案しようと、2010年からバスの除菌・消臭に取り組んでいる九州観光空間除菌部(本社・大阪市)。除菌水を噴霧器で霧状にして拡散させる「空間除菌」を主力に、九州のバス会社を皮切りにして全国に普及にしつつある。空間除菌は今、猛威を振るっている新型コロナウイルスにも対応できるとあって、マスコミの注目も集め、バス会社や宿泊施設から注文が殺到している。空間除菌部の杉本和彦部長に話を聞いた。
新型コロナウイルスに 「できることをやる」
―除菌ビジネスに取り組んで10年、除菌ビジネスの現況を教えてください。
2010年から除菌水「次亜塩素酸水」を空間噴霧することでバス車内の除菌・消臭を行い、快適なバス旅行をお届けしています。「除菌バス」という名称も定着してきており、現在は約2500台の貸切バスに導入いただいています。
新型コロナウイルスの感染が全国的に広がっているなか、多くの導入先バス会社様がテレビ局の取材を受けて放送されており「除菌バス」は注目を集めています。取材されているバス会社様から「次亜塩素酸水が新型コロナウイルスの直接効果があるかどうかのエビデンス(証拠)はまだありませんが、除菌対策に有効であり、今やれることはすべて行うべきです」と発言されているのをお聞きし、社会貢献できている事業として誇りに思っています。
―新型コロナウイルスの感染拡大が問題になって以降、受注状況はどのようになっていますか。
1月下旬から電話が鳴り止まない状況が続いています。貸切バス乗務員やガイドの発症が報告されたことから、バス会社様を中心に噴霧器と除菌液の発注が途切れません。お客様への安心と安全な車内環境、従業員の健康管理を相当意識なさっていることを実感します。
―どのような問い合わせが多いのですか。
旅館や交通機関、学校関係、介護施設からの問い合わせも増えています。室内噴霧器を使用した空間除菌対策やスプレーボトルを使った感染予防に取り組まれているようです。旅行会社からはツアー参加者への除菌液フィンガーボトルの発注をいただいています。
―噴霧器や除菌液は足りているのですか。
除菌バス用噴霧器は2月に150台納入しました。3月にも新たに受注しましたが、完売の状況です。除菌液の供給は大丈夫ですが、室内噴霧器とスプレーボトルは在庫切れで、不足状況になっています。
―除菌ビジネスのエキスパートとして、アドバイスがあれば。
観光業にとって「安心・安全」は基本テーマです。新型コロナウイルスが収束したのちも「お客様をご送客する、お迎えする」立場で、感染予防対策に関心をお持ちいただければと思います。
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