貸切バスとタクシーを連動 大阪バスグループ・西村信義社長に聞く(2)
旅行サービス手配業へ進出 リアルエージェントを応援
−西村社長にとってバス事業を行う上で大きな転換期となったのは、2006年から2009年にかけてのグッドウィル・グループからクリスタル観光バスの株式を取得した時だと思いますが、タクシー事業もそれに匹敵する事業だと捉えておられますか。
コロナ禍の影響で、最も元気だった貸切バス事業の苦戦を強いられているなか、次の展開を考えておく必要があります。コロナ禍が落ち着いてもこれまでのような価値観が続くとは思えません。新たな価値観に対応していかなくてはならないと考えたとき、我々にとってバスやタクシーを保有していることが最大の武器になりますから、それをいかに時代に合ったものにしていくのか。バスやタクシーを地域社会にうまく活用するように務めることが、社会的な使命であるとも思っています。
−ネット社会になりオンライン・トラベルエージェントが台頭しています。リアルエージェントが苦戦するなか、そこへセールスをかける旅行サービス手配業への目算はあるのですか。
目算があってのことではありません。目算うんぬんということであれば、案内所事業に参入はしていません。いくらネットエージェントの台頭といっても、まだまだリアルエージェントは頑張っていますし、頑張ってもらわないといけない。そのためにも案内所はなくなってはならないと思っています。ただリアルエージェント、案内所を応援したいという気持ちだけです。
一部ではバス事業者が案内所を持つと、旅行会社の仕事を持っていかれるといった声もあるようですが、そんなけち臭い発想はありません。純粋に「案内所がなくなるのが忍びがたい」だけで、もっと大局を見た仕事をした方がやりがいがあると思っています。
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