オンラインツアーに活路 京都・ウイニングトラベルサービス常田学社長に聞く(2) 利益率高く、中小もチャンス
タビマエ情報にも 固定概念捨て挑戦
−オンラインツアーを造成してほしいという依頼も多いとか。
京都市内の社寺巡りの要望が多いですね。京都市内のオンラインツアーを扱っている旅行会社があまりないからかもしれませんが、修学旅行に行けなくなった学校からオリジナルのデジタル修学旅行の依頼もあります。旅行に出かけることのできない老人クラブから紅葉の嵐山を映したオリジナルツアー、デジタルお花見映像、インバウンド向けの動画作成依頼などがありました。
−オンラインツアーは利益率が高いそうですが、どれくらいの利益率でしょうか。
内容にもよりますが、京都市内の案内なら50%は超えます。
−オンラインツアーではHISが体験者数8万人で、ツアー数も1244(5月19日現在)と力を入れており、集客力も目を見張るものがあります。HISの取り組みはどのように受け止めておられますか。
HISさんの一番人気はシンガポールで、占いなどのスピリチュアルな内容になっているようです。私も参加してみましたが、内容的には中小旅行会社でも十分対応できる内容でした。ツアー数の多さには対抗できませんが、内容については参考にさせていただこうと思います。
−京都市という特別なエリアにある旅行会社なので、その強みがオンラインツアーで発揮できると思うのですが、他地域の中小旅行会社がオンラインツアーを行う場合のアドバイスをお願いします。
旅行業界はまだまだアナログな業界で、オンラインの環境が行き届いていません。それでも、まずは興味を持つこと。費用も高くないので、まずはHISさんのオンラインツーにでも参加してみる、ということが大切です。様々なオンラインツアーに参加することでアイデアが湧いてくると思います。オンラインツアーにはライセンスの縛りがありません。当たれば大きな収入源になると思います。
−コロナ禍がおさまったとき、オンラインツアーはどのようになると思いますか。
これまで旅行に行く前はガイドブックで予習というのが普通でしたが、オンラインツアーがその役目を果たしていくような気がします。
−最後に、オンラインツアーという新しい業態へチャレンジされているなかで、旅行業界に関してご意見があれば。
どのような時代になっても旅という文化は、必ず生き残ると思います。その中で「旅に特化した今しかできないビジネスは何か」をつねに考えなくてはならないと思います。固定概念を捨てて今の旅行業、これからの旅行業を見据えて行動していくことが問われるのではないでしょうか。
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