広域連携は可能か ボランティアガイド全国大会
日本観光協会(中村徹会長)は11月19―20日、奈良市で「地域紹介・観光ボランティアガイド全国大会」を開いた。全国からガイドや自治体ら約170団体約1千人が集い、各地の取り組みを情報交換するなど交流を深めた。
同大会はガイド間の知識の共有を図り、ガイド活動の充実、発展を目的に毎年開いている。今回は平城遷都1300年祭を間近に控える奈良を会場に選択した。
奈良県文化会館で開いた本大会で、中村会長は現在、全国のボランティアガイドは1561団体、3万8千人で年々増え続けていること報告し、「観光は地域の魅力を伝え、地域づくりにおいても大きな役割を担う。その中でガイドの存在は大きい。大会で交流を深め、地域に多くのお土産を持って帰ってほしい」と話した。
基調講演やエクスカーションなど様々なプログラムが催されたが、組織運営や外国人対応などテーマごとに7分科会も実施。そのうち「観光ボランティアガイド組織間の都道府県を越えた広域連携」を聞いた。定員約100人の会場は埋め尽くされ、関心の高さと熱意が感じられた。
奈良県と大阪府の各地ボランティアガイド団体が連携して2007年から実施している「歴史街道リレーウォーク」を成功事例として、経緯や取り組み内容を説明。参加者からはコース設定や広報手段など実務的な質問が相次いだ。
また、同ウォークの今後の発展性や、九州や北陸など各地の広域連携事例も紹介。「息の長い計画で実現性を高めるべき」、「お互いのまちをPRすることが大切」など様々な広域連携への提案がなされ、議論を深めた。
一方で、素材の乏しさからどう取り組んだらいいかわからないといった悩みもあがった。
座長を務めた奈良県高取町・たかとり観光ボランティアの会の野村幸治さんは「地域に何もなくても、地域独自のもてなし、交流がある。喜んで帰ってもらうことを心がけて、リピーターになってもらおう」と呼びかけていた。