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「安・頻・短」と「町活かし」 近畿運輸局・まちづくりセミナー

国土交通省近畿運輸局はこのほど、観光まちづくりセミナーを開いた。京都嵯峨芸術大学の桑田政美教授が観光まちづくりについて講演したほか、2010年度の観光まちづくりコンサルティング事業の説明が行われた。

セミナーには、近畿運輸局管内の自治体、観光関係団体などから約50人が出席した。

「観光まちづくりに果たすイベントの役割」と題し講演した桑田さんは、IT化によるデジタルな時代で消費者の価値基準が「安・頻・短」志向になったと指摘。安価な料金で様々なプログラムが設定されるなどクラシック音楽を市民が身近に楽しめるよう、フランスのナントで1950年から始まったイベントになぞって、ラ・フォル・ジュルネ現象が広がっていると話した。

大阪の着地型観光プログラム「大阪あそ歩」なども同様であるとし、桑田さんは「イベントを支えるボランティアも参加者と一緒に楽しみながらやっているのが、この種のイベントの特徴です。ゲストとホストはパートナーになっているのです」と話した。

そうした観光の場づくりを桑田さんは、来訪者と観光地(住民)と事業者の相互作用であると提起。来訪者は自分の経験に基づく価値による「生のデザイン」、観光地は地元を擦り生み出す着地型観光などの「地のデザイン」、そして事業者は人の五感に訴えるシナリオづくりの「旅のデザイン」が必要であるとし、「それを総合して私たちは観光デザインとしています。今後、まちには未来をひらく『町活かし』のデザイン力が求められています」と述べた。

講演後、出席した自治体関係者にコンサルティング事業の説明が行われた。観光まちづくりを志向する自治体に、大学教授や旅行会社担当者らが赴きアドバイスするもので、7月9日まで募集している。

近畿運輸局企画観光部の片山保夫次長は「ぜひエントリーしてください」と呼びかけた。

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