観光圏の商品づくりへ ティー・ゲートと近畿運輸局・着地型研究会
国土交通省近畿運輸局で2月22日、観光圏を対象とした着地型観光商品の研究会が開かれた。近畿の各観光圏から担当者が参加し、ウェブによる流通・販売の手法を学んだ。
研究会はこれまでも各運輸局単位で開かれ、今回が最終回。国内最大規模の着地型旅行商品情報サイト「旅の発見」を運営するティー・ゲートから講師を迎え、観光圏の着地型旅行商品の販売へのヒントを得てもらおうと実施されてきた。
この日は同社ニューツーリズム・コンサルティング部部長の福井善朗さんとリーダーの竹田英樹さんが、これまでの取り組みから得た知識や課題をふまえ、考えを披露。着地型は「地域主導の旅行市場」で、地域の魅力をプレミアム化して販売できるなど可能性の大きい分野と指摘した。そのために、まず情報提供の手段として観光協会のサイトを充実させ、商品や地域情報をデータベース化し予約システムを導入することで潜在需要の掘り起こしにつなげるなど、商品や情報、ブランド管理は地域側が行うことが基本だと論じた。
販売システムとしては、観光圏での導入実績がある同社のプラットフォームを事例に挙げ、資源の掘り起こしから商品化、情報提供、流通に至る流れを紹介。商品化に携わる人材の育成やシステムの導入、戦略策定などの重要性を訴えた。
質疑応答では、体験メニューなど単体での販売は、手数料が安く商売として成り立たないという声が。これに対し、竹田さんは「利益を得るには宿泊とのパッケージが考えられるが、まずはコンテンツありき。地域の魅力を見出す目利きが大切です」と答えた。
福井さんは「旅行会社のこれまでのように手数料販売を追えば、着地型は成長しません。旅行会社がやっていないモデルに可能性があります。単価は安くても、まず売れなければ意味がありません。人を多く呼び、数を稼ぐことがいいのでは。実際にネットではそこにしかないものが大量生産のものに勝ったという事例があり、着地型もそういう可能性があると見ています」と話していた。