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「清盛」観光にどう生かす 神戸観光振興シンポジウム

神戸ゆかりの大河ドラマ「平清盛」を生かした観光振興を考えるシンポジウムがこのほど、神戸市中央区の神戸夙川学院大学で開かれた。取り組み事例の発表や討論で振興策を考えた。

神戸に新たな魅力を 観光発展の突破口に

神戸・ニューツーリズム事業実行委員会や神戸市、国土交通省神戸運輸監理部など官民学6者共同で主催。神戸では、地元一体の観光振興への機運が高まっており、この日も地元観光関係者ら約130人が参加した。

事例発表では神戸市観光コンベンション室の山本猛室長が、来年1月まで開催中のキャンペーン「KOBE de 清盛」を説明。ドラマ館などの取り組みを紹介した。

山本室長は、従来の神戸のイメージと異なる「清盛」という素材に対して「神戸の歴史資源を観光資源として魅力を高めることで、新たな観光客層を開拓できる」と評価。目指すべきところとして「清盛を切り口に神戸の魅力を伝え、神戸に新たな魅力を加えていきたい」と話した。

そのほか、神戸夙川学院大学観光文化学部の小野田金司学部長が清盛をフックにした産業観光を、神戸運輸監理部の松浦茂樹さんは西日本の国交省5地方部局による瀬戸内クルーズを紹介。民間からは、清盛が開いた福原京があった同市兵庫区・平野商店街の地域おこし、清盛が大輪田泊を修築した兵庫津地域と神戸夙川学院大による平安の食再現プロジェクトが発表された。

現状の清盛効果「あまり感じないが・・・」

パネルディスカッションでは、小野田学部長をコーディネーターに地元観光関係者らが「清盛で高まる神戸港クルーズ」をテーマに議論した。

これまでの清盛効果は各氏とも「あまり感じない」。広島が先行し、神戸には波及していないとの認識を示した。

日本旅行西日本営業本部ヒラタ屋の小畑博正さんは、"清盛と神戸"の旅行商品化について「正直、無理がある。従来の"おしゃれな神戸"に特化したほうがいいのでは」と厳しい意見。ルミナスクルーズ営業本部長の熊野幸三さんも「清盛は厳しく、ハイカラという視点でも攻めるべき」と続いた。首都圏からの予約も多いという神戸クルーザー・コンチェルト社長の南部真知子さんも同調するが「実際にはまずまず予約が入っており、注目は集めている」。

一方で、早駒運輸社長の渡辺真二さんは「地域全体が従来のイメージに満足して危機感がない。きっかけという意味で清盛が突破口になってほしい」と期待を込める。

今後目指すべき方向性としては、「地域一体でおもてなし意識を醸成し発信する」(渡辺さん)、「清盛を機に取り組んだことを今後も磨く」(南部さん)、「神戸は光のまちとして明るいイメージをつけたい」(熊野さん)。小畑さんは「地域の足並みを揃えないと元の神戸に戻る。行政と民間がタッグを組んでいくことが大切」と訴えた。

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