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リピーター獲得のヒント探る じゃらん・宿泊旅行調査分析(1)

人はなぜ同じ旅先を選ぶのか―。リクルート・じゃらんリサーチセンター(沢登次彦センター長)は、今年の「じゃらん宿泊旅行調査」(本紙9月10日号「業界浮上のカギ見出す じゃらん宿泊旅行調査から」既報)において、「リピーター追跡調査」を行った。旅行者が観光地を再来訪する理由に迫り、リピーター獲得のヒントを探ろうというものだ。

「若者の1人旅」獲得がカギ

8月24日に大阪市内で開いた観光振興セミナーで発表した同センター研究員の横山幸代さんは「旅先には二度と行かないところと何度も行ってしまうところがあります。それが観光地の力と考え、分析することに」と趣旨を説明した。

調査は、18歳以降に行った宿泊旅行を対象に、再来訪した旅行先と一度のみの旅行先での旅行者の行動を解析。再来訪の要因となった観光資源や情報などの要素を分析し観光地が持つ"誘因資源"を洗い出した。6―7月に調査を行い、今回の発表は速報版。

まず、1次調査で旅行先とリピート率を調査。レジャー旅行の実施割合「訪問率」は89.3%で、10人に1人は「18歳以降に旅行をしていない」というのは単純に驚きだ。宿泊先では関東エリアが57.8%と突出。関西50.0%、甲信越・北陸40.9%と続く。

同じ観光地に2回以上旅行したことがある人の割合「リピート率」は37.2%。都道府県別上位を見ると、東京や千葉といった都市部、長野や北海道などスポーツコンテンツを持つ地域がリピーターを多く抱えるようだ。

リピートの頻度を見ると、再来訪の間隔は「4年以内」が83.2%と大半。1年間隔でも3人に2人が再来訪しており、「鉄は熱いうちに。どれだけ早く再来訪を促せるかが勝負」(横山さん)というのもうなずける。

また、横山さんは注目すべきは「若者の1人旅」と指摘。初回訪問時の同行者別にリピート率を見ると「1人旅」が41.3%でトップに。さらに、初回訪問年齢では「18―24歳」の44.1%が1位で、他の年齢層を大きく引き離した。1人旅、特に若年層はリピートしやすく、この層にいかにインパクトを与えられるかが観光地にとって勝負になる。横山さんも「若者をどれだけ取り込めるかで次世代の観光経済が決まる」と強調する。

リピーター獲得のヒント探る じゃらん・宿泊旅行調査分析(2)に続く

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