観光産業を担う人材育成講座・最終回から(2) "気づきの場"から得た刺激
このあと受講生から全講座で感じた個人発表が行われた。
主なものを紹介するとA氏は「最も印象に残ったのは『生産性向上のためのコンセプトの共有』の講義で、当社ではコンセプトの定義が明確ではなかった。自身の至らなかった点を認識することができた」。B氏は「地域密着型の旅館になるにはどのようにすればいいのか。今回の講義はそれを考えるファーストステップになった」。C氏は「日々の業務に追われ『学ぶ』という機会がいかに少なかったかを実感した。どの講義からも刺激を受けた」。D氏は「旅館にとってのリピーターはお客様というイメージがあったが、お客様が満足するサービスを生み出す原資は従業員であることを考えさせられた。お客様の心、従業員の心にも寄り添うことのできるホテルにしたい」。
グループ発表では「理想のホテル」はインバウンド需要・移住者の受入と古民家の活用で、限界集落の再生と地域雇用の促進ができる施設▽「リピーター」はどのようなサービスと期待感を持って客が来るのか、あって当たり前のサービスと差別化できるサービスとは何かを整理し検討するかが大事▽「DMO」成功の鍵は経営感覚を持った人材の確保と育成で、民間企業のマネジメント経験者の積極的な採用▽「地域活性化」は観光資源の種を地域一体となって盛り上げ、価値を創造―といった内容が代表から報告された。
修了式では廣岡教授から受講生に修了書が授与された。受講者を代表してあいさつした山本訓弘さん(吉野ビジターズビューロー)は「様々なことに気づかせてもらう貴重な場を与えていただいて感謝しています」。
国土交通省観光庁の黒須卓参事官は「和気藹々(あいあい)で一体感のある講座になったことに敬意を表したい。横のつながりを持って交流し、地域を盛りあげてほしい」とエールを送った。
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