旅行者の安全のために-東京観光財団・災害対策セミナー(2) 熊本地震の実体験から
鶴田社長は「熊本地震で起こったこと 旅行者対応における今後の課題」のタイトルで講演した。
別府・ニューツルタ鶴田社長 「外国人客の対応に苦労」
熊本地震の際の別府市は震度6弱とされている。鶴田社長は「別府温泉中心部はガラスが割れる被害程度で体感としては震度5程度だったと思う。ただ、津波が怖かった」と振り返った。別府湾では歴史的に津波の経験があり、近年も南海トラフ地震や別府湾直下型地震が発生した際の津波の高さや到達時間などが周知されている。
ホテルから指定避難所までは徒歩7分程度、津波避難ビルまでは徒歩3分程度の距離。津波警報のサイレンが鳴り続けるなか、ホテル上層階への避難も想定しながら、宿泊客のホテル内待機を決めた。当日、ホテルには外国人40人を含む128人が宿泊していた。
このときの状況について「日本人はすぐに落ち着いて各部屋に戻りましたが、外国人客の対応に苦労しました。ホテル内が安全だと伝えるのですが、余震のたびに外に出たがりました」と様子を話した。
特に、国によって地震に対する恐怖感は異なり、他の宿泊施設ではレンタカーやタクシーで福岡まで避難した韓国人旅行者が多かったことを紹介した。
地震後は風評被害対策など復興対応に追われてきたが、深夜・未明の従業員招集法も含め、災害時の外国人旅行者対応の必要性を痛感している。
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