IRでビジネスチャンス拡大 近ツー関西MICE支店開設で講演会(1)
近畿日本ツーリスト関西MICE支店の開設を記念し3月28日、大阪市中央区の大槻能楽堂で講演会を開いた。「IR(統合型リゾート)で拡がるビジネスチャンス」と題し、電通IR・観光プロジェクトディレクターの岡部智さんが話した。
電通IR・岡部さんが語る
IRは新しい成長戦略として昨年12月に推進法が施行され、具体化に大きく踏み出した。年内には実施法案が国会に提出される見通しで、岡部さんの見通しでは最短で2023、4年にカジノを含むIRが日本国内に開業するという。
日本でにわかにIRが注目を集めたのはシンガポールの成功だった。3つの高層ビルが屋上部で一体化した外観が特徴的なマリーナベイサンズ。ホテル、ショッピングモール、エンターテイメント施設、カジノが一体型になったIRで、10年の開業以降、シンガポールへの観光客数で38%、MICE件数で10%以上引き上げた。岡部さんは「シンガポールの競争力が一気に強化され、東京を引き離しました」。
マリーナベイサンズは地下鉄など交通インフラ整備、まちづくりにもつながり「施設開業にあたってサンズは渋滞緩和を約束し、ストレスなく移動できます。オーガナイザーにとっては1カ所で会議からアフターコンベンションまで済ませられる利点も大きい」とし、岡部さんはIRの民間投資が地域活性化につながっていることを強調。官主導で失敗したリゾート法とは異なるとした。
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