訪日旅行者が好むスタイル 慶応大と小田急がワークショップ開催
訪日旅行者の観光の楽しみ方や、日本での観光行動を、インタビューなどから約200の言葉に表現した「スタイル・ランゲージ」を、訪日客向け旅行計画や旅行商品づくりに使ってみるワークショップがこのほど、東京・新宿のインバウンドリーグで開かれ、インバウンドに関心のある個人が参加した。
主催したのは、様々な創造性をスタイルやパターンの言語化で支援しようという「パターン・ランゲージ」を研究している慶応大学の井庭崇研究室(井庭研)と小田急電鉄。両者は共同で訪日客の観光パターンのランゲージ化に取り組み、定番から意外なものまで、すでに約200のパターンを抽出し言語化している。
ワークショップでは、テーブルごとに10ほどのグループに分かれ、井庭教授の指導で、各テーブル一面に広げられたパターン・ランゲージを記したカードを使って、外国人に勧めたい旅行計画を考えた。
例えばカードには、次のようなものがあった。
「車窓の変化 都心と郊外をつないでいる電車。車窓からの景色は、高層ビル群から、住宅地、海の街へと変化する。車窓を眺めているだけで、コンパクトにいろんなものが詰まっている日本を感じられる」
「まちのお風呂屋さん、銭湯はまちのコミュニティでもあり、なかには富士山の絵が描かれたものもあり、日ごろの疲れを癒すことができます」
こうした言葉をつなげ、あるいは言葉から創造性を発揮し、旅行計画を作っていく。グループの1つは花見、富士山、車窓、温泉、地酒、地魚などのパターン・ランゲージから「季節は春。新宿の小田急デパートの地下で弁当とビールを買って、代々木公園でお花見。都庁まで歩いて無料の展望台から富士山を眺める。夕方、再び小田急デパートの地下で地酒を買って、ロマンスカーに乗り、箱根まで車窓と地酒を楽しむ。箱根湯本温泉に泊まり、旅館と温泉を体験。翌日は温泉街を散策し、小田原漁港から揚がった地魚のランチ」を考えた。
井庭研と小田急電鉄では、パターン・ランゲージを使って、新宿界わいのまち歩きプランや、実際の旅行商品化に取り組んでいく。
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