一本の桜に思いを込める 国際交流PSHが宴、幸南食糧・川西会長が講演
東北や熊本など国内外の被災地を中心に「声、心がけ運動」を広める国際交流PSH(イワン・プロホロフ会長)の「桜の宴〜未来への誓い」が3月30日、大阪府豊中市の在大阪ロシア連邦総領事館で開かれた。参加者は、領事館の敷地に植樹した桜を囲み「地球平和」を祈念した。
桜は、人類初の宇宙飛行を行ったユーリ・ガガーリンの飛行50周年を記念して2011年に植樹。今後は、桜の植樹を被災地でも広めていく計画を持つ。そのため、郷土の香川県で3千本の桜を14年かけて植樹した幸南食糧の川西修会長を招き講演会を行った。
今でこそ「おくさま印」で全国有数の食品会社になったが、川の氾らんで社屋が水に浸かり会社存続の危機に直面した経験を持つ。「もう再起不能。廃業を社員に伝えましたが、一人が『入社した時、社長はゼロから出発して今になったと言っていました。もう一度やり直しましょう』と言ってくれたんです。人は一人では生きていけないと実感しました。スタッフに励まされたんです」。そうして川西会長は「社員を幸せにする会社」で、大阪南部の松原市に所在することから幸南食糧と社名を改めた。
「人のために何ができどう喜んでもらえるか、これを真剣に考える。考えることがその人の能力なんです」。再スタート後は業績も順調に伸びたが、阪神淡路大震災、東日本大震災で取引先や顧客が被災。いち早く食糧を被災地に届けた。この二度の体験で「涙して喜んでくれました。いかに行動に移すかが大事で、本気でできるかどうか」と確信したという。
そして出身地の香川県まんのう町。衰退傾向の郷土を活性化しようと川西会長は考えた。「人、モノ、文化、交流が地域を元気にする。そこで、桜を植えようと思い立ちました。まずは関係者で6本を植えたのです。でも6本ではまちは変わりません。誰でもできることをやってはいけないと3千本という目標を掲げました」。とは言うが、桜でのまちの活性化に周囲は反対し懐疑的。「7本にいくまでがたいへんでした」と述懐する。
「自己満足で人は動かない。一本一本の桜に一人ひとりの思い、記念を込めて植樹するようにしたのです」。すると100本をすっと超えた。自治体も動き、1千本、2千本と増えていった。16年についに目標の3千本に達し、満濃池畔に記念の石碑も建てた。
「夢を語り続け、人の心を動かす。次は、多くの人が参加する『さぬき夢桜マラソン』を実現します」と、川西会長の夢は尽きないのだった。
宴では、在大阪ロシア連邦のリヤボフ・オレグ総領事らによるテープカット、モンゴル伝統芸術協会のサウガゲレル会長によるホーミーや馬頭琴の演奏も行われた。
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