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新しい生活様式で会社経営できるの? OMOIYARIプロジェクト主催がシンポ

「いつまで長引くかわからない新型コロナウイルス感染症拡大防止には、新しい生活様式の実践でって言うけど、ほんまにそんなんで会社経営できるの?」をテーマにしたシンポジウム「ピンチからの挑戦」が8月8日、大阪市阿倍野区民センターホールで開かれた。主催は公益社団法人OMOIYARIプロジェクト(草刈健太郎代表理事=カンサイ建装工業)。第1部はリゾートライフの柴山勝也会長と一門会の上山勝也会長が講演し、第2部ではトークセッションが行われ、コロナ禍にさらされる今「ピンチからの挑戦」の術を探った。

ピンチからの挑戦

コロナ禍のピンチからの挑戦について
話し合ったトークセッション

不動産業とホテル業を営む柴山会長は「大阪にホテル25軒を所有し8割が外国人、2割を日本人が宿泊していたが、今年1月から外国からの団体客が来なくなった。休業施設と営業を継続する施設を決め、政府の融資でつないでいるのが現状。不動産の家賃収入がなかったらどうなっていたかわからない」と報告。

そのうえで「思いもよらない状況になった時、まず現状分析を行い、どこで利益を出せるかを知ることが大事。誰も助けてはくれない。ピンチはチャンスというが、決してマイナス志向にならず、プラス志向になることだ」と柴山会長。

ピンチからの挑戦

「マイナス志向にならず、プラス志向に」
と柴山会長

上山会長は、サラリーマンから新世界の「元祖串かつだるま」を継承し、現在大阪に15店舗を展開している。「4月7日の営業自粛で全店舗を閉めることに。5月から随時店を開き、7月に完全オープンした。ようやくお客様が戻りだしたら、コロナの感染が拡大し8月20日まで千日前や難波の店は夜8時までの限定営業。限定されたらコロナ感染の中心地だと思われる」とイメージが先行する状況に憤った。

反面、自らもやってきたボクシングに例えて「ボクシングはどつかれても、どついている奴から目を離したら反撃できない。目をそむけたら負け。目を離さずチャンスが来たら、どつき返すことができる。コロナから目を離さずチャンスを待って、みんなで力を合わせてコロナに打ち勝ちましょう」と呼びかけた。

ピンチからの挑戦

「コロナから目を離さなければ、
どつき返すことができる」と上山会長

トークセッションは柴山会長と上山会長に、日本維新の会の馬場伸幸幹事長、独立行政法人経済産業研究所の佐分利応貴国際・広報ディレクター、泉佐野市の千代松大耕市長が加わって行われた。コーディネーターは草刈代表理事が務めた。

コロナ禍の今後について、柴山会長は「道を探せ。なければつくれ。今我々はこれまでにない経験をしている。前向きにやっていくしかない」。上山会長は「攻めなあかん。我々のマインドを押し上げる策を民間人が考え、それを行政が支えるという構図が大事」。

馬場幹事長は「ヒト・モノ・カネ、政治は東京に集中していた。緊急事態にはこれでは機能しないことがわかった。政治の在り方や新しい国のカタチをコロナ禍をきっかけに考えよう」。佐分利ディレクターは「ハーバード大学で『人の幸せは何で決まるのか』を調べると『仲間がいたかどうか』という結論に。仲間を作ってコロナ禍を乗り切ろう」。千代松市長は「2代目貴乃花が語った不撓不屈(ふとうふくつ)で一つひとつ乗り越えていきましょう」。

最後に草刈代表理事が「コロナ禍で差別や会社経営で苦しんでいる人がいる。こんな時こそ人と人がつながりを持ち支えあい問題を解決したい。結(ゆい)という言葉をお集まりの皆さんに贈ります」と締めくくった。

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